この夏(2018年)セリアから販売されて話題になったものの1つがこのコーヒードリッパー。

この商品はとある商品の模倣品=コピー商品です。

この商品はとある商品の模倣品=コピー商品です。
元となった商品がこちら。

ユニフレーム UNIFLAME コーヒーバネット cute(キュート) 664025
ユニフレームからコーヒーバネットの商品名で販売されていて、キャンパーの間では定番商品の1つとしてよく知られていました。
千円以上の価格で売られていたのですが、おそらく特許が切れたのでセリアからも模倣品を販売出来るようになったのでしょう。
今までの1/10以下で売られるようになったわけですから、そりゃぁ話題にもなります。
自分も20年くらい前に、ユニフレームから発売されてまだ間もない頃の製品を購入していました。
なので2つ有っても意味が無いと思い、一旦はセリア製の購入は見送ったのですが、セリア製は1〜2人用でユニフレームは4人用とサイズ(使用人数)が違っていたので購入してみました。
サイズが違う上に20年以上も前の製品ですから単純比較はできませんが、色々と検証してみようと思います。
まず並べて見比べて見ましょう。

サイズが違うのは当然ですが、ワイヤーの太さもかなりセリア製の方が細いのは一目瞭然です。
また上部のワイヤー末端を見てもセリア製は開き気味な点も気がつきます。
まぁ価格が1/10以下なのですから、このくらいは全然許容範囲だと思います。
じゃぁ使用して全く差異が無いかというと、そこまで甘くはありません。
普段、自分が自宅で使っている1〜2人用のコーヒードリッパーと並べてみると分かりやすいです。

ペーパー内にコーヒー粉を入れてないので両方とも浮き気味ですが、セリア製は円錐形の角度が広い為にペーパーとドリッパーが大きく離れているのが分かります。
お湯を落とすと、プラスティック製のドリッパーにはしっかりと収まりますが

セリア製の方は斜めに傾いたままです。

斜めの状態というのは、コーヒー粉から均一に抽出するという点において厳密にはよろしくありません。
でもじゃぁ味にその違いがハッキリ出るかと言うと、おそらく多くの人はその差異を認識出来ないだろうと予想しています。
そう言う意味では精神衛生上はともかく、実質的な欠点としてはほとんど気にしなくて良いのかもしれません。
耐久性においては、まだほんの数回しか使っていないのでなんとも言えませんが、一度こっきりで壊れる使い捨て感覚というような酷い物ではありませんでした。
次に使い方の注意点を少し上げておきます。
1〜2人用というサイズからしても、カップに直接乗せて使われる方が多いかと思いますが、一番一般的な容量300mlのシエラカップだと、微妙に羽部が足りずに上手く乗せることが出来ません。

この写真は、撮影のために丁寧にそーっと何回も置き直して、やっと乗せられた時の写真です。
使用時にはそんなまどろっこしい事は出来ないでしょうし、上手く乗ったとしてもフィルターにコーヒー粉をセットしてお湯を入れれば絶対にバランスが崩れてカップ内に落ちます。
すなわちこのドリッパーはシエラカップでは使えないと思った方が良いです。
一般的なマグカップに乗せるのでしたら、全く問題ありません。

写真はダイネックス製のマグカップに乗せましたが、この内寸はスノーピークの300mlとほぼ同じ大きさです。

一般的なマグカップならば大体問題無いはずです。
ちなみに1〜2用なので2人分のコーヒーを淹れようと思うなら、コーヒーサーバーに乗せることをお勧めします。

単純にコーヒー粉の量を倍にして、お湯を落としている最中でマグカップから別のマグカップに移動するというような淹れ方は勧められません。
コーヒーというものはドリップの始めと途中からでは大きく味が変わっているのです。
単純な濃い薄いという話ではなく、旨みや苦味酸味全てが変わっていくのです。
「1杯目と2杯目で大きく味が落ちてもかまわない」と、味にこだわりが無いのならこんな面倒な道具は使わずにもっと手軽なコーヒーで良いのではないでしょうか?
更に付け加えておくと、通常コーヒーの1杯分とはコーヒーカップ120〜150ccを基準に考えていますから、マグカップ200〜250ccに入れるならこのドリッパーは実質1人分専用と考えた方が良いのです。
キャンプで使うなら、このスタイルということです!

要するにこの商品は完全にお一人様専用なわけです・・・
うぅ〜ん、正直に言ってしまえばソロキャンプだったら、これってあまり意味が無い気がします。
味に拘るならば、自分は普段自宅で使っているコーノ式を選びます。

ワイヤーフレームのドリッパーは側面がスカスカな構造なのでガスが溜まらず、そのコーヒーの味が良いという人もいます。
だったら富士山ドリッパーをお勧めします。
自分が行きつけにしている焙煎店で使用していて、自分も気に入っています。
ここまで味に拘るなら当然の如く、豆は現地で挽きたくなるのでミルも持って行きたくなります。
とまぁソロキャンプの割にはあまりにも面倒じゃないですか?
自分だったら手軽なドリップパックを選びます。

と言うかソロキャンの時はこれしかやっていません。
二人以上だと、面倒でも荷物が増えてもまぁ良いかと思えるんですけどね〜


その場合は約20倍の価格になってしまいますが、4人用サイズ=ユニフレーム コーヒーバネット grande(グランデ) の方が効率が良いと思います。
あくまで自分の考えですけど・・・
所詮は趣味の事なので、各個人の好みで判断すれば良いと思いますが、ソロキャンプ専用としては自分はどうかと思っていると言うことが言いたいわけです。
自宅で1〜2人用としてセリア製を使うのは有りだと思います。
その場合フィルターは円錐形のペーパーフィルターが合います。
自分は近所のスーパーでも在庫のある、ハリオ製のものを最近は使っています。
— 追記 –
先日、近所のセリアを覗いたら円錐形のペーパーフィルターが売られていました。
ただし、このフィルターは2つほど問題点があります。
まず1つは1〜4人用で、この記事で紹介しているセリアの1〜2人用ドリッパーには大き過ぎるのです。
ちょうど同じ大きさのフィルターが自宅にあったので、検証してみました。

重ねて置いてみたので比較し易いと思います。
上の白いフィルターが1〜2人用、下の茶色っぽいのがセリアで売られているのと同じ大きさの1〜4人用。
こうして見るとわずか数cmの違いで大差無いように感じますが、実際に使ってみるとけっこう使いづらいです。
先に指摘したようにセリアのドリッパーは円錐の角度が開き過ぎていて、フィルターが斜めになってしまうのですが、フィルターが大きいと斜めに傾く癖が顕著に現れます。

あともう1つの問題点は、このフィルターは無漂白な点です。

無漂白フィルターは紙臭さが気になる製品があります。
人によってどう捉えるかなのですが、ご興味がある方は→こちらをご参照下さい。
結論として代用品としては使えない事は無いけど、そこまで拘りが無いなら先にも触れましたがドリップパックを使った方が手軽で良くないですか?
けっこうコーヒーは好きなので、クドクドと長文を書いてしまいました。
くどいようですが、コーヒーは嗜好品の類なので最後は自分自身の好みに依存します。
ご自身が好きなように飲むのが一番だと思います。
駄文に最後までお付き合いいただいた方はありがとうございます
皆さんもキャンプで拘りのコーヒーを如何ですか?