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CB缶・カセットボンベの選び方

先日のカセットガスファンヒーターなどなど、自分は多くのカセットガス器具を推奨しています。
それはとにかく手軽で簡単だからです。
今日はそのカセットガス器具の燃料=CB缶・カセットボンベについてのお話です。
アウトドアーでよく使うガス器具はアウトドアー(OutDoor)OD缶とカセットボンベ(CassetteBombe)CB缶の2種類に分けられます。
OD缶は名前のとおり屋外での使用を前提に企画開発されたもので、屋外でも安定した使用が出来ます。
一方CB缶は元々、家庭内での使用を前提に企画・開発されたので、老若男女誰でも簡単に使えることが出来ます。
元々一部のアウトドアーマン向けに作った商品と、一般家庭向けの商品ではユーザーの桁が違います。
量産効果もありCB缶の方がコストパフォーマンスに優れてきたのです。
一部のスポーツ用品店・登山店にしか在庫の無いOD缶と違い、CB缶は普通のスーパー・コンビニ・100均にまで置いてあります。
簡単な上に安くて入手性も良ければ、アウトドアーでも使いたくなるのが人情です。
そんなニーズを反映して、CB缶使用のアウトドアー向けガス器具が増えてきたというわけです。
そんなガス器具の燃料は、どこの製品を使えば良いのか?
基本的にはどこのメーカーの製品でも使用可能です。
実は以前はガス器具各メーカーにより、自社製造のガスボンベしか使えないよう制限が加えられていたのです。
それでも簡便性が好まれ広く普及していました。
その為、ライフラインが破壊された震災地でも頻繁に使われていたのです。
1995年発生の阪神淡路大震災の時も、救援物資として各メーカーから大量に提供されました。
でも前述したように当時はガスボンベに互換性が無いので、被災地では大混乱。
過去に例を見ないような大災害だったので被害者数も桁違いだったから、ガス器具も燃料も桁違いでそれを一々マッチングするのは大変な手間だったのです。
これを機に規格統一の必要性が強く望まれ、それに応える形で厳密な規格が1998年に誕生したのです。
先日大掃除をしていたら10年以上前と思われる岩谷製のCB缶を見つけました。

現在のものと切り欠きがチョット違います。
おそらく1998年以前の器具と共用出来るようにしてあったのではないでしょうか?
現在はどの会社で作ったCB缶でも全て同じ切り欠きです。

ガス器具の説明書を見るとだいたい自社製造のCB缶を使うように記載されていますが、実際にはこの規格に準拠していればどこのメーカーのものでも問題無く使えるのです。
乾電池はどこのメーカーでも関係無く使えるのと同じようなもんです。
ただまぁ「万が一事故等が起きた場合は補償しませんよ」って感じです。
いわゆる「自己責任」ってヤツです。

では、どこのメーカーでも品質に差は無いか?
そう聞かれるとちょっと困ります・・・
安心感で言えば、しっかりしたガス器具を作っている大手メーカーと同じブランドのものでしょう。
イワタニ・SOTO(新富士バーナー)・ユニフレーム
こういった辺りでしょう。
でもこうした会社のCB缶は高額なんです。
では信頼感があって安価に販売されているメーカーは無いのか?と言うと
有ります
ニチネン マイボンベ

このニチネンはCB缶しか作れないメーカーと違い、自社でカセットコンロも作っているのでそのノウハウも豊富です。

ニチネン カセットコンロ マイコンロ・パートナーII KC-347A
また日本製なのも安心感に繋がるかもしれません。

ただ日本製だからと安心していると、自分の古い在庫の中には韓国製のものも見つけられたので、あまり日本製への拘りは感じられません。


個人的には嫌韓の考え方は好きでは無いので、信用できる製品ならば韓国製でも構わないと思っていますが、日本製だからニチネンは信用できるという根拠は薄いということが言いたいだけです。
他に同じく100均やホームセンターでも見かける製品で信頼性が高いのは
日本で最初にカセットコンロでJIAから認定を受けた老舗の東邦金属のTOHOブランド(ダイソーにて)

ライターで有名な東海製造のコン郎も信頼できます。

とにかくこれらのブランドは100均やホームセンターでよく見かけますが、よく知らないメーカーのものよりは安心して使えます。
ホームセンターによっては更に安い場合もあります。
自分の知っている最安値はセール期間ですと3本組218円(税込235円)でした。(2018年12月01日)
セキチューという関東を中心に展開しているホームセンターで、セールでなくとも普段から3本組み258円(税込278円)で販売していました。
セールとかに関係無く普段からだと業務スーパーでも2021年頃までは安く販売していました。
3本組238円(税込257.04円)
ですが、残念ながら2022年末頃から物価高の煽りを喰らって、すっかり値上がってしまいました。
現在(2024年)、ニチネンは100均市場から撤退してしまいTOHOも東海もあまり見かける事は減り、店頭に並んでも150〜200円(税別)が相場でしょうか?
まぁ仕方ないですね。
一度値上がりした商品が以前の価格水準まで下がる事も無いでしょうから、現状の中で安く買えるお店を探すしかないです。
自分が見た中では、近所のスーパー三和でニチネンの3本組セットで398円(税別) (2023年9月)

この時はけっこうまとめ買いしておきました。
こんな感じで探せばけっこう有るんですよ。
とは言え、いつも運良く安値で買えるとは限りませんから、他にも安くて信用できるメーカーを紹介しておきましょう。
アイシステムネットワークのアイボンベ

この「i」のマーク、どこかで見たことありませんか?
実はアイシステムネットワークはカセットボンベのトップブランド=イワタニのグループ会社なんです。
おそらくイワタニグループだから販路もイワタニと協力関係にあるんじゃないかと推察しています。
なのでこの「i」マークのCB缶はけっこうアチコチのお店に置かれていて購入しやすいはずです。
とにかくニチネン・TOHO・東海のCB缶を置いてないホームセンターでもけっこうな確率で見かけます。
ただし、イワタニのグループ会社ですが、あくまでイワタニとは別ブランドのようです。
イワタニに問い合わせた事が有るのですが、
最終的にはお客様のご判断によるものですが、安全面を鑑み器具とボンベは同一ブランドをお使いいただくことをおすすめ致します。」との返答でした。
あくまで自分の推察ですが、信頼性はイワタニに
劣る印象ですが品質は極端に劣ることは無いと思います。
カセットコンロ本体も作っているしっかりしたメーカーです。

アイ・システムネットワーク ガスコンロ アイコンロ ZA-8M/62-6793-61
信用して使っても問題無いブランドだと、自分は思っています。
ちなみにカセットボンベの製造は韓国です。

以上、ニチネン・TOHO・東海・アイシステムこの4ブランドのカセットボンベで1本あたり150〜200円を目安に探してみて下さい。

100均のキャンドゥですと、アイシステムとTOHO両方とも2本で300円です。(2024年07月)

それ以上の価格を出すならダイソーで、イワタニのカセットボンベを250円で購入した方が絶対に良いです!(2024年07月)

理由は後述します。

では、ニチネン・TOHO・東海・アイシステムのCB缶を使っていれば、どんな時でも大丈夫か?
残念ながら、そうはいきません。
ガスは缶に充填されている時は液化しているのですが、燃焼する時は気化させなければなりません。
ガスが気化する気温は種類によって決まっていますが、その温度よりも低いと気化しない=燃えないわけです。
更にガスが気化する際には気化熱と言ってガスボンベ自体の熱を奪っていくので燃えづらくなります。
これによって出力が落ちていきます、この現象をドロップダウン(ドロップアウト)と言います。
ガス器具によってはそのドロップダウンを防ぐために燃焼温度をボンベに誘導するブースターと呼ばれる装置で対策をとっている器具もあります。
でもその効果はそれほど高いものではありませんし、そもそも最初にガスが燃焼しなければブースターも全くの役立たずです。
家庭用ガス器具に使われるガスの原料には3種類ありますが、それぞれ気化する沸点は
ノルマルブタン -0.5℃
イソブタン   -11.7℃
プロパン    -42.09℃
ところが安いCB缶は、ノルマルブタンしか入っていないのです。
先ほど説明したドロップダウンを考慮すると気温15℃くらいから出力=火力は落ちだし0℃以下では点火すら出来ないのです。
要するに厳寒期の屋外では全く使い物にならないわけです。
そんな環境では沸点の低いプロパンやイソブタンが充填された製品を選ぶしかありません。
ただ注意しなければいけないのは、その種類と混合比率です。
また、複数種類のガスが混在している場合、気化していくのは沸点の低い順に気化され消費していくのも忘れてはいけません。
まず最強のプロパンが充填されているCB缶は

SOTO パワーガス ST-7601

ソト(SOTO) パワーガス 3本パック ST-760 [HTRC 2.1]
この製品はプロパンとノルマルブタンが混合されています。
理論値ならば氷点下40℃の極寒でもこのCB缶は点火します、これは素晴らしいっ!
しかし先ほど説明したように沸点の低い順、即ちプロパンガスから先に消費されていくのです。
プロパンガスを使い切った後は安物のCB缶と同じノルマルブタンしか残っていません。
素晴らしく効率的なブースターを搭載していても、外気温によってはノルマルブタンでは燃焼維持は難しい場合があります。
その上、プロパンノルマルブタンの混合比は公開されていませんが、10%90%という噂です。
要するに点火はするけどしばらくしたら消えてしまう可能性が非常に高いのです。
また一度使いかけてしまえば、半分以上残っていても次は低温下では点火すらままならない、普通のCB缶になってしまうのです。
ガスのプロが開発した割にはお粗末と言わざるを得ません。
ユニフレーム プレミアムガス

ユニフレーム(UNIFLAME) プレミアムガス(3本) 650042 [HTRC 2.1]
プロパンイソブタン5%95%
極低温下でもまずはプロパンで確実に点火しブースターでガス缶が暖まった頃にはイソブタンが気化して燃焼し続けるという、ほぼ理想的な配合。
ブースターが優秀なら氷点下20℃くらいまで、ブースターが装備されてない器具でも0℃くらいまでは使えちゃう最高のCB缶です。
たとえ使いかけでも氷点下10℃くらいなら点火もできますし、半端ない安心感です。
噂では自衛隊が厳冬期に使っているのはこの製品だそうです。
さすがアウトドア専業メーカー!
これより厳しい条件下でしたらガス器具ではなく、ガソリンストーブの出番です。
唯一の欠点は1本あたり500円近くする価格です。
ネットで最安値を探しても送料を加味するとそのくらいですし、実店舗で安いお店を探しても同様です。
中身は間違いなく最強ですが、価格が高過ぎます。
コスパに我慢できるなら厳寒期用にはベストな製品です。
TOHO ゴールド

東邦金属 ゴールド カセットボンベ (イソブタン配合)パワーガス
イソブタンノルマルブタン75%25%
最強のプロパンは入っていませんが、イソブタンが75%も混合されているのは心強いです。
氷点下10℃以下の極端な低温化でなければ普通に点火して、優秀なブースターが装備されていれば氷点下5℃くらいなら最後まで燃焼し続けるでしょう。
それは半分くらいの使いかけでも同様です。
自分も使っていますが、厳寒地でなければ十分に使えるCB缶と断言できます。
リンク先のamazonだと大量購入ですが、ヨドバシ.comですと3本セットで送料無料の774円!ポイントを考慮すれば1本あたり実質240円
もしお近くにジョイフル本田があれば、3本セットで528円!!(2019年時点)
これならばコストを気にせずに使えます
と言うわけで冬の定番はTOHO ゴールドで決まり!

ちなみにTOHO ゴールドはゴールドと名付けられていても、外装が紫色の缶もあるようです。
自分が購入したヨドバシだと金色ぽい色でしたけどね。
それと充填は韓国なので日本製しか認めない人は、諦めてください。


イワタニ パワーゴールド

イワタニ カセットガス パワーゴールド3P CB-250-3PG
イソブタンノルマルブタン70%30%
TOHOゴールドとほぼ同様の比率。
と言う事は厳寒地でなければ、使えるCB缶なのですが、安いお店を探しても1本あたり400円近くしちゃいます。
ユニフレームのプレミアムと大差ありません。
だったらユニフレーム プレミアムいっちゃいますよね。
SOTOよりはマシですが、ガスのプロとしては後もう一歩という感は否めません。

イワタニ カセットガスオレンジ

Iwatani イワタニ カセットガス 液化ブタン オレンジ CB-250-OR 【3本組 × 2点セット】(計6本)

先にダイソーで250円で売っていると紹介したCB缶です。
そう! この製品はノルマルブタン100%の安物と違ってイソブタンが30%混合されているんです。
厳寒期は厳しいけれど、少し肌寒い春秋くらいには十分有効です。
それに低温でなくとも、ノルマルブタンよりもイソブタンの方が火力は上がるんです。
要するに春〜夏〜秋には最適なCB缶なんです。
それがノルマルブタンしか入っていない製品よりもわずか数十円しか変わらないなら、迷わず選んだほうが良いと思います。
ただ夏に百円の差額だったら、ニチネン・TOHO・東海・アイシステムを自分なら選びますね。

要約しますと、春〜秋までの3シーズンで1本あたり200円未満ならニチネンマイボンベ

同様にTOHO・東海・アイシステムも可!

 

春〜秋までで250円ならイワタニオレンジ

冬はTOHO ゴールド

まだこれから値上がりするかもしれませんが、2024年07月時点でのお勧めという事でご理解下さい。

季節・気温によって賢く使い分けて、楽しいアウトドアーライフをお過ごしください。
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