タラスブルバ (TARAS BOULBA)
元々はアシックスが興した国産アウトドアブランドですが、販売不振で一度は消滅。
その後、数年前にスポーツ用品販売チェーンのスポーツオーソリティが商標権を買い取り復活させたものの、キャンプブーム沈静化の煽り受け、販売不振でまたもや消滅するようです。→リンク
クローズ前の大バーゲンセールという事で、最大70%オフの投げ売りをしていたのです。→紹介記事
という感じで、自分も購入した商品を紹介してきましたが、一番お勧めの商品を紹介してみたい。
それはズバリ!マイティーパワーペグ
ペグは使い分けが重要だと思ってはいますが、車移動でのオートキャンプでは現在一番スタンダードなペグは、スノーピークのソリッドステークスを元祖とする鍛造鉄ペグでしょう。
スノーピーク(snow peak) ペグ 30cm ソリッドステーク30 R-103 鍛造ペグ テント タープ アウトドア キャンプ
柔らかい土質だと抜けやすいという欠点はあるものの、先ずとにかく地中に打ち込めないとペグとしての役目を果たせないので、石を割り進める鍛造鉄ペグの安心感は大きい。
とは言え、たまには曲がってしまったりするわけで、そんな消耗品は安価な方が嬉しいのが素直な本音。
そこで広く流通しだしたのが、安価な中国製の鍛造鉄ペグ。
Soomloom スチール ソリッド テント ペグ テーク 30CM キャンプ設営用具 8本1セット/16本1セット (30cmブラック16本セット収納ケース付き(バージョンアップ))
元祖のソリステやエリステが30cmクラスで1本あたり約500円に対して、中華製なら150円前後が現在の相場だろう。
価格は1/3程度なのに強度はそれほど劣らない(私見ですが僅かには劣ります)のだから、嬉しい限りだ。
ただまぁやはり安物中華製品らしく、実用的に支障は無いがどこか野暮ったいデザインで所有欲は満たせない。
前振りが長くなったが、そこで今回紹介するタラスブルバのマイティーパワペグ。
このペグの素材ははソリステ・エリステなどと同じS55C鋼材。
鍛造鉄と言うくらいですから、素材は鉄なのですがほんのわずかに違う素材も含ませる事によりより硬度が上がったりするのですが、炭素を含んだ合金がS55Cです。
S55Cは焼き入れを行うと非常に硬度が高くなるのが特徴ですが、その分加工が難しくなる。
加工をしやすくする代わりに硬度が少し落ちるのがS45C。
中華製ペグだとこのS45Cを使った鍛造鉄ペグも見た事があります。
とにかくマイティーパワーペグは高い硬度を誇るS55Cを採用しているわけです。
製造は国産ではなく台湾だが、日本企業が管理しているせいかソリステなどの国産品と比べても大きく劣る事は無いようだ。
長さが30cmではなく28cmなのはエリッゼステークと同様で、地中に打ち込んだ時の保持力と言う観点からは短い方が不利なので2cm短いのは残念だが、エリステも同様の手法をとっていると考えると極端な差異は生じないのかもしれない。
軸の形状は楕円形状と表記されていてソリステやエリステ同様だと思いがちだが、短辺側の側面は平らで長編側だけ円状で、実物は楕円というよりは四角と円を合わせたような感じ。
太さは短辺側で8.2mm長辺で9.0mm
ソリステ30cmは7.9〜8.2mm
エリステ28cmは7.9〜10.4mm
ソリステ・エリステに比べてやや細身で、扁平率は低めですね。
重量はソリステやエリステとそれほど変わらない1本辺り28cmで実測194.9g
(写真は個体差による誤差を考慮して4本乗せて計測しています)
ソリステ30cmは実測179.3g、エリステ28cmは実測で1本189.5g
ソリステと比べると約20g、エリステと比べても約10g重い。
長さでは一番長いソリステが実は一番軽いというのも興味深い。
そしてマイティーパワーペグは短くて細いのに一番重い。
同じ素材S55Cを使っても、結局は鍛造加工や焼き入れなどのやり方によって色々と差異が生じるのでしょうね。
このあたりは強度や保持力と何よりも加工コストなどとの兼ね合いで各メーカーが規格しているのでしょうから、素人の自分にはなんとも言えない。
まだあまり使い込んでいないので断言はしにくいが、使ってみて強度的に低かったり保持力が落ちるといった感じは無さそうだ。
ペグとしての他の機能は、個人的には紛失防止のためにはエリステのように塗色されている方が有難いが、以前のソリステは基本的に黒のみだったし他の中華ペグのほとんどは黒一色のみなので、鍛造鉄ペグとしては標準的と言えよう。
このマイティーパワーペグの特徴としてはフックが2つ有るので、テントの出入り口などにフライとメッシュのように2つ別々に引っ掛ける事が出来るのが特徴だ。
この機能は最新のソリステでも採用されている。
*出典スノーピーク
使ってみると案外便利だ。
ちなみに安価な中華製鍛造鉄ペグのほとんどは、フック部が溶接付けなので強度は大きく劣る。
特にダイソーのペグなどはその溶接が雑な事もあり破損事例をウェブ上でもよく見かけた。
国産鍛造鉄ペグとして定評のあるソリステ・エリステと比較しても塗色されていない事以外はほぼ同等かむしろ一部勝る、もちろん中華ペグに対しては圧勝。
定価ではソリステエリステと似たような高額だったが、それが在庫一掃の処分価格で中華ペグ並みの148円!?
それも1本単位で買えるので、無駄に多く買う必要も無く、かなり効率的かつ安価に購入できるというわけです。
既に何十本も様々なペグを所有している自分だが、迷わず購入してしまった。
元々は20・28・38cmの3種類ありましたが、20cmと28cmをそれぞれ6本ずつ購入しておいた。
タラスブルバ TARAS BOULBA マイティパワーペグ 20 ブラック/20
さすがに在庫一掃セールが始まってから3ヶ月以上経ったので、残念ながらweb上では全ての種類が売り切れてしまったようです。
しかしスポーツオーソリティの実店舗では、一番汎用性の高い=需要の高い28cmがまだ在庫のある実店舗もあるようです。
スポーツオーソリティのオンラインショップを見ると売り切れになっていますが、「店舗在庫を探す」というリンクをクリックすると在庫有りのお店がわかります。
ただし、この情報は必ず正しいとは限りません。
自分は20cmをもう何本か買っておけば良かったと思い直し、在庫有りの店舗に行ってみたら実際には売り切れていた事が10月にありました。
出来れば事前に電話で確認した方が間違いないと思います。
本当はこの情報はもっと早くにお伝えしようと思っていたのですが、仕事が忙しくて下書きにしたまま1月以上放置してしまいました。
下書きを描き始めた頃はまだオンラインストアにも在庫があったのですが…
申し訳ありません。
既に店頭在庫も無くなっていますが、記録として20cmのデータも記しておきます。
太さは短辺側で6.3mm長辺で7.0mm
ソリステ20cmは6.2〜7.6mm
エリステ18cmは6.8〜7.6mm
28cmと同様にソリステ・エリステに比べてやや細身で、扁平率は低めですね。
重量は実測で100.9g
ソリステ20cmが実測で1本75.3g
エリステの18cmは実測で68.5g
これまた28cm同様にソリステ・エリステに比べて重めですね。
これは複雑な造形のフック部の影響もあるのかな?
そして使い比べると、抜けにくさに関しては18cmと短さが祟ってエリステがやや保持力弱めな気がします。
これは素人の自分には計測が出来ないので、あくまで体感的なものなのでプラセーボ効果な気もします。
とにかく、一番短い20cmクラスは少し重くなってでも、エリステのように短くしなかったのは良い判断だと個人的には思っています。
重いのはやや気になりますが、保持力が高く使い勝手に優れ、何よりも激安(最終処分価格118円)を考慮すると、自分にとってはこの20cmこそが一番のお気に入りです。
そう言えば、公式ではこのフック部は栓抜きにも使えると書いてありましたが、テコの原理を使えるような感じではなく、ただフックに引っ掛けて腕力だけで開けるような感じでした。
これを栓抜き機能と呼ぶには流石に強引過ぎます(苦笑)
優秀な鍛造鉄のマイティーパワーペグが安く買えるのはあとわずかだと思いますので、交通費をかけてでも欲しい方はお急ぎください!
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