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焚き火の必需品として火消しツボ

足利での山火事がニュースを賑わしています。
今回の山火事の原因はまだハッキリわかっていませんが、山火事の原因で最大の火元は焚き火だそうです。→林野庁調べそうした万が一の火災を引き起こさないためには、焚き火・BBQでも確実な消火に務めるべきです。
炎が収まったからそのまま放置なんて言語道断です。
外側だけは消えたように見える薪・炭でも、内部はまだ完全には消火していない場合がほとんどです。

水をかけて外側は火が消えても中まで水が浸透して消火するにはかなりの時間がかかります。
それに燃え方の状態によっては、水をかけることにより蒸気とともに火の粉が舞い危険な可能性もあります。
ではどのように処理すれば安全・確実に消火できるのか?
そもそも燃焼とは、可燃物(この場合は薪や炭)が光や熱を伴いながら、酸素と反応する酸化現象なのです。
即ち可燃物と酸素は絶対に必要なんです。
なので、その酸素をシャットダウンしてしまえば物は燃えることが出来ません。
その酸素をシャットダウンするための道具が「火消しツボ」というわけです。

キャプテンスタッグ 和膳亭 火消しつぼ MK-1474
キャプテンスタッグ 和膳亭 火消しつぼ MK-1474
使い方は、焚き火台等から燃え残っている薪・炭全部をこの壺に入れて蓋をするだけです。
しばらくは壷の中で燃焼していますが、燃え続けると壷の中の酸素は消費され代わりに二酸化炭素で満たされていきます。
ちなみに二酸化炭素は酸素よりも重いので、蓋に少しくらい隙間があっても二酸化炭素は滞留して酸素が入り込むことはありません。
要するに蓋をして壺の中の酸素を使い切ってしまえば、燃焼し続けることは不可能なのです。
少量の薪・炭でしたら、だいたい10〜15分程度でほぼ消火します。

しばらくは余熱で火消しツボ自体が熱いので、扱いに気をつけて下さい。
完全消火のためには更に1時間程度は火消しツボに入れておいた方が間違いありません。
ちなみに火消しツボで消火した消し炭は、再度着火すると短時間で火が着きます。
次回の火起こしの時にとっても便利なので捨てずに残しておきましょう。
ビニール袋等に移しておけば、次に使いやすいでしょう。
灰はキャンプ場に灰捨て場があればそこに廃棄させてもらっても良いし、土壌改善の効果があるのでそのまま自宅に持ち帰って肥料にするも良し。
ゴミとして廃棄するなら自治体の指示に従いましょう。
火消し壷は専用品でなくとも、可燃物でなく密閉が出来れば何でも良いのです。
自分はホームセンター等で数百円で売られているペンキ缶を愛用しています。

長いこと使っているうちに錆びてきたし、移動中に凹んだりしてボロボロですね(苦笑
それでも機能的には全く支障がありません。
おせんべいやクッキーが入っていた空き缶など、燃えずに蓋が出来る物なら何でもかまいません。
そう言えばキャンプ場の灰捨て場にはドラム缶がよく使われていますが、あれも巨大な火消しツボなわけです。
あそこまで巨大な物は要らないでしょうが、消火しようと思った時の燃え残りの薪・炭が全部入らないといけないので、ある程度の大きさは必要となります。
自分が使っているペンキ缶は、直径約12.5x高さ17.5cmと比較的小ぶりな缶です。
似たような大きさの缶から推測して容量で言えば約2L。

アサヒペン 金属容器 油性用丸缶 2L KMP-2 フタ付き スチール製 日本製
アサヒペン 金属容器 油性用丸缶 2L KMP-2 フタ付き スチール製 日本製
なので長さ20cm以上の薪などはそのまままでは入りません。
もちろん燃やしていくうちに小さくなったり折れたりして燃え残りは小さくなりますが、缶に入る程度までは燃やしていかないとなりません。
長さだけでなく容量的にも制限がありますから、小規模な焚き火や1〜2人でのBBQでの残り炭でしたらだいたい大丈夫ですが、大人数でのBBQや大規模な焚き火だと缶の中に収まりきらない可能性が高いのです。
自身がよく行うキャンプの参加人数や規模を考量して火消しツボは選ばないとなりません。
ある程度の密閉性が必要とされるため折りたたみ式の容器などは向かないので、携帯・収納性を考えるとあまり大きな物は選びたくないし適切なサイズ選択がなかなか難しいですよね。
なので専用品を買うならば、火起こし機とセットで収納できるものが収納スペース節約には良いのでないかと思います。
3〜4人くらいのファミキャン等でも大丈夫そうなキャプテンスタッグ

キャプテンスタッグ 大型 火消しつぼ 火起し器セット M-6625
ソロキャンプでしたら100均のダイソーでオイルポット(150円)とステンレスカトラリーラック(200円)

オイルポットを火消しツボとして使い、カトラリーラックは火起こし機として使います。
収納はカトラリーラックをオイルポットに入れるのですが、これがまるで専用品かのようにちょうど良い組み合わせでピッタリ合います。
しかも2つ買ってもわずか350円!?
ただオイルポッドの容量0.7Lから推測できるように、かなり燃え残りを少なくしておかないと入りきりません。
撤収の時間までにどのくらい薪・炭が燃え尽きるかを予想しておかないと、撤収したくても焚き火・BBQが片づけられないなんて事があり得ます。
ある程度は焚き火に慣れた人でないと、こうした小容量の火消しツボの運用は難しいかもしれません。

そうした予想が面倒な人には、火消しツボ機能が備わったBBQグリル

ソト(SOTO) デュアルグリル ST-930
ソト(SOTO) デュアルグリル ST-930
これ高額だけど面白いな〜と感心しました。
BBQ・焚き火を終えようと思ったら、網を外して蓋をする。
1時間くらい放置していればそれだけで消化完了。
火消し壺に移し替える手間がかからないし、遮熱がしっかりしているので卓上使いも問題無し。
ただ4人以上でBBQするには小さい・焚き火台としても小さい(短い薪しか使えない)・蓄熱性が高いので冷えるまで時間がかかる・重い・何より高額といった欠点があり、万人におすすめできませんが、かなり良い製品だと思います。ここまで紹介した火消し壺はどれもこれも大きいので、小型軽量を指向する人達にはキツいんですよね。
そんな方にお勧めなのは耐熱機能を有した袋状の製品。
元祖は、独創的なアウトドア用品を数多く製造販売しているNakedLaboのアッシュサック。
自分が購入した2019年頃は類似商品が皆無でしたので、販売即売り切れを繰り返していて中々購入することができなかったくらいの隠れた大人気商品でした。

現在は多くの類似商品があるので、そちらを選ぶのもアリでしょう。

ZEN Camps 火消し袋 アッシュキャリー 炭処理袋 炭消し袋 炭袋 防水 自立 Ash Carry キャンプ 耐熱性 難燃性 コンパクト 大容量【日本ブランド】 (S(25*24cm)カラビナ付)
発想は素晴らしいので、元祖であるNakedLaboに敬意を表したいと思いますが、意匠権は取得していなかったようです。
と言うか上記リンクのZEN Campの方が意匠権取得しているとの事です。兎にも角にもこうした袋形状の火消し壺もあるのですが、使い勝手はあまり良いとは言いかねます。
収納に余裕があるなら、従来のタイプをお勧めします。

火消しツボは、応用した物でもかまわないのでとにかく焚き火やBBQを楽しむ人は最初に準備しておくべき必需品です。
最近の焚き火ブームは格好良い焚き火台ばかり注目されて、最後の消火作業が蔑ろにされているような気がします。
末長く楽しむためには安全・確実な消火と、更には万が一の火災対策も考えて欲しいなと思います。
「キャンプ・焚き火ブームのせいで山火事が増えた」なんて言われないよう気をつけましょう!
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは。山火事は怖いですよね。しかも自分が原因になるかもなんて想像したくもないです。我が家はキャンプスタの火起こしセットを使用しています。

  • >ヒロスケさん
    こんばんは!
    返信遅くなり申し訳ありません。
    山火事本当に怖いですよね。
    万が一自分が原因だったら一生罪悪感に苛まれますよね…
    お互い本当に気をつけましょう。
    キャプスタ火起こしセット良いですね!
    大は小を兼ねる用品ですから、収納スペースがあるなら一番良い製品かと思います。
    今から揃えるなら自分もこれ買いますね。

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