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寝心地と暖かさの両立? 封筒型ダウンシュラフ

我が家がファミキャンや妻と二人で一番使用頻度が高いシュラフは窮屈さが無く広々快適なオガワの封筒型化繊シュラフフィールドドリームDX

とにかく快適性優先の寝心地最高だけど、収納寸法が大きいのが最大の欠点、そんなシュラフです。
まぁ収納寸法には目をつぶって使い続けていますが、基本的に3シーズンモデルなので冬は寒い。
自分が行く冬キャンプは主に関東地方でそんなに高地ではありませんが、それでもマイナス8度くらいまでには普通になりますし強い寒波が来ればマイナス15度くらいまでは想定しておいた方が安心だろうと思っています。
ホットカーペットや電気毛布併用で、フィールドドリームでも何とかマイナス5度くらいまでは使っていましたが、やっぱり寒いし強い寒波が来たらヤバいなと思います。
そんなわけで冬用の寝袋を買い足そうと思ったわけです。
それも寝心地優先で封筒型に拘ってみようと思うのです。

先ず今使っているオガワのフィールドドリームは大変気に入っていますが、同シリーズではこれ以上暖かいモデルは無いので他社製品から探すしかありません。
寝袋において保温力を上げるには中綿・羽毛をを増やすのが基本です。
しかし、マミータイプに比べ構造的に中綿・羽毛が多くならざるを得ない封筒型では、化繊綿では収納寸法的に冬用は難しい。
我が家のフィールドドリームも3シーズン向けなのにかなり巨大だが、可搬性を考えたらこれがもう限界。

*上の写真はフィールドドリームDXが2つ入っています。
となればダウンの封筒型を探すしかない。
人形型=マミータイプならばかなり暖かいダウンシュラフがありますが、封筒型だと選択肢は驚くほど少なくなります。
暖かさを得るためには密着度が高い方が圧倒的に有利なのです。
となればメーカー側も必然的に、厳冬期はマミータイプの開発に力を入れるわけです。
いや、と言うか一般的なキャンパーは冬になるとキャンプをしない人が多いので、冬山登山にも使われるマミータイプしか厳冬期は開発しないのが実情。
それでも最近のキャンプブームや嗜好多様化のおかげで少しは冬向け封筒型ダウンシュラフもいくらか目につくようになってきました。
ちなみにダウンシュラフの暖かさは、ダウンの量と性能でほぼ決まると言っても過言ではありません。
量とは、ダウンがどれだけたくさん入っているか、これは重さで数値化されます。
ここで重要なのは側生地やファスナーなどを含んだ総重量ではなく、ダウンの充填量のみの重さが重要です。

性能はフィルパワー(FP)で数値化されます。
FPとはダウンの膨らみを数値化したもので数値が大きい方が暖かくなります。
一般的に500FP以下が低ダウンとされ、600〜700FPは良質ダウン、700FP以上は高品質ダウンとされています。ただ最近の傾向から600FP未満は低級品、600〜800FP未満が中級品、800FP以上で高級品というのが自分の中での認識です。

大手国内メーカーから探してみると

モンベルではダウンファミリーバッグ#1

モンベル(モンベル) ダウンファミリーバック#1 (オレンジ/FF)1121311

モンベル(モンベル) ダウンファミリーバック#1 (オレンジ/FF)1121311

440FPのダウンを使用して総重量1.714kg
快適温度は-2度

イスカのレクタ1000
イスカ(ISUKA) レクタ1000 147321
620FPのダウンを1000g使用して総重量1.59kg
快適温度は0度
ナンガの封筒型オーロラ1000STD

ナンガ シュラフ (ブラック) 封筒型 オーロラ 1000STD 【快適使用温度/-10℃】寝袋
快適温度は-10度
モンベルはダウン量を公表していないのでよくわからないし、快適温度と言っても各メーカーで基準が曖昧なのでこれも今ひとつあてになりません。
ヨーロピアンノームという統一規格が最近はありますが、まだ各社が完全に準拠していないようでナンガのオーロラ1000STDを見ると本当に信用できるのか疑わしくなります。
イスカの620FPとナンガの650FPで30FPしか変わらないのにダウン量は同じで、快適温度が10度も変わるって信じられます?
まぁ自分の経験やなんかで判断すると、イスカとナンガは両方0度くらいが快適温度、すなわち厳冬期に単独で使うにはどちらも心許ないだろうと予想しています。
(こういう事が多いので、自分はナンガが好きになれません)
それなのにイスカもナンガもちょっと高額過ぎに感じてしまいます。
モンベルは18920円と比較的安価ですが、ダウンの性能=FP値がいくらなんでも低過ぎません?
440FPってこんなに低品質なダウンをモンベルのような大手が今でも使用しているのかと、驚きました。
総重量から想像するにダウンを1200gくらい使っているのでしょうが、暖かさはそれなりだと想像できますよね。
たぶん快適温度は2〜5度くらいでは?
国内大手は自分が想定しているような厳冬期向けダウンシュラフはやはり製造販売していないようです。
となれば、これは海外製品から探すしかないか?
コスパに優れた製品で有名なネイチャーハイクを見ると
Naturehike公式ショップ ダウンシュラフ 冬用寝袋 高級ダウン670FP 快適温度-2℃ 3シーズン 寝袋 軽量 収納袋付き 撥水加工 コンパクト車中泊 防災用 避難用 アウトドア キャンプ 快適睡眠 (L(190+30)x80cm, グレー快適温度-2℃)
670FPのダウンで総重量1.72kg
快適温度-2度
ダウン量の記載はありませんが、総重量から考えればおそらく1200gくらいでは?
FP値から想像して快適温度も概ねそのくらいでしょうね。
実は寝袋に関してならばネイチャーハイクよりも品質が高くコスパも兼ね備えた信頼おける中華ブランドはイージスマックスだと自分は思っています。
しかし残念ながらイージスマックスは封筒型で自分の満足するものがない。
AEGISMAX Eplus400-1000シリーズ 800FP グースダウン寝袋 超軽量 アウトドア キャンプ ハイキング 寝袋 フルレングスジッパー付き 男女兼用 (Eplus1000)
快適温度ー2度
とスペック的にはかなり理想に近いのですが形状が…
これ人形型の締め付け緩いだけじゃないですか?
いかにも封筒型って形もありますが、
AEGISMAX ゆったりとした長方形ダウン寝袋 6度ダウン スリーピングキルト 超軽量 3シーズンキルト封筒ダウン寝袋 バックパッキング ハイキング SP3
快適温度5度
これはスペック不足で…
まぁやはりシュラフメーカー的には、封筒型で冬用ってのは色んな意味で難しいのでしょうね。
ちなみにアマゾンではかなり高額の値段が付いていますが、アリエクスプレスなら$300以下じゃないかな?
実はこれでも急激に冬用封筒型は増えているのですよ。
自分が冬用の封筒型シュラフを探したのは2021年の春頃。
この時には先に紹介したナンガの封筒型オーロラ1000はまだ発売されておらず、650FPのダウンが600gしか入っていないラバマイ600くらいしかナンガでは封筒型が見当たりませんでした。

ナンガ NANGA ラバイマバッグ S 600 N1RCZZN3

ネイチャーハイクに至っては750FPのダウンがわずか400g

もっとしっかり探せば、他にも優秀な冬用の封筒型ダウンシュラフがあったのかもしれませんが、自分には実績のしっかりした大手ブランドからは見つける事が出来ませんでした。
となれば実績の無い無名ブランドから選ぶしか無いと考えたわけです。

とりあえずアマゾン内を「封筒」「ダウンシュラフ」で検索しまくって、とにかくダウン量の多い製品をチェックしまくって、そんな中から選んだのがこの商品。

*現在Amazonでは販売していないようで、楽天のリンクにしておきました。

RUMIAという全く無名の中国メーカーの製品です。
先述したように寝袋の温かさはダウンのFPと量が最重要要素。
このシュラフは850FPのダウンが1500g充填されているそうです。
今まで紹介してきたシュラフで一番スペック高いのがイージスマックスの800FPで1000g。
それと比べても圧倒的な差があります。
こちらは一般的な封筒型に近い形状で、ジッパーを完全に開くと1枚のブランケット状にもなります。
Amazon内を見るとダウン1000g充填という製品は他にもいくつか見かけましたが、850FPとフィルパワーまで明記していた製品は2021年当時はこのRUMIAだけだったのです。
その上、この製品はグースダウンを使用しているとの触れ込みです。
一般的にダックダウンよりもグースダウンの方が高性能で長寿命とされています。
もちろんグースダウンの方が高価格です。
快適温度は-10度と表示されていますが、ダウン量やFP値が本当なら実際にそのくらいの極寒でも快適でしょう。
そう本当なら…
実績の全く無い怪しげな中華ブランドですから、これらのスペックが全て嘘という事が十分あり得ます。
最低使用温度-30度なんて表記されていますが、当たり前ですがそんなの信じられるわけがありません!!
2021年4月下旬当時の販売価格は14,292円でした。
他にも1500gダウンを充填しているシュラフはありましたが、FP表記やグースダウン使用はうたわずにだいたい12,000円未満だったので、このRUMIAは無名の中華製品の中では比較的高額な方でした。
なので程々の真実味を感じたのが購入の決め手でした。
妻の分と2つ必要でしたが、いきなり2つ購入はさすがに危険と思い、とにかく先ずは1つ購入してみました。
Amazonは返品可能なシステムですから、とんでもなく酷い製品が送りつけられたら返品すれば済むわけですし。
送られた製品をチェックすると、収納袋込みで総重量2.05kg
ちなみに収納袋単独だと106g
すなわち寝袋本体の総重量は実測で1.95kgです。
側生地の重さを考慮すると、ダウンが1500gというのはどうやら嘘では無いようです。
ではそのダウンのフィルパワーはと言えば?
これは素人の自分には計測しようがありません。
ただ実際に使ってみた感じですが、おそらく850FPは無いような気がします。
何となく側生地越しに触った感じはフワフワというよりはゴソゴソと大きな塊的な感触です。
とてもじゃないけど850FPもの高品質ダウンという感じはありません。
感覚として500〜600FPくらいなんじゃないかな?という感じです。
逆に言えば、そのくらいはありそうです。
そしてグースダウンかと聞かれたら、これまたわかりません。
まぁあまり期待しない方が良さそうな感じではあります。
要するにやはり信用できるメーカーとは言い難そうな感じです。
とは言え、ダウンが1500g入ったダウンなのは間違いありません。
購入したのが4月だったので、既に氷点下以下の冬キャンプは無理なので確証は無かったけど-2度くらいまでは快適に使えるんじゃないかと感じたのです。
怪しい他の中華シュラフをあれこれ試すよりは、最低限の性能を有したこの製品を買う方がリスクは少ないだろうと思ったのです。
夏が近づいて価格が下がったので、暖かい季節=安い時期にもう1つ買っておく決心をしました。
2021年6月に11704円にまで値下がりしたので、ここが底値かと考えてもう1つ購入。
こちらもほぼ同重量。
購入から半年経っていよいよ冬到来!
実践投入の季節です!!
先ず何と言っても暖かさについてです。
0度くらいまでなら特に工夫も何もせずに単独使いでも、ヌクヌクと暖かく使えます。
しかし外気温-8度くらいだと、単独使いは寒く感じますね。
氷点下2度以下となると、電気毛布や湯たんぽ等が欲しくなる。
こうやって電気毛布が綺麗に収まるのも封筒型の良いところです。
フィールドドリームと比べればもちろんかなり暖かいのですが、正直に言えば自分が求めるレベルまではあと一歩というのが素直な感想。
おそらく快適温度は-2度という表記が正しい表記だと思います。
体感温度には個人差があるので寒がりな人なら0度くらいでも限界かもしれません。
雪中キャンプなど本格的な冬キャンプを行われる方が、シュラフだけで完全に満足なんてのは無理でしょう。
ただし妥協は出来るレベルといったところです。
逆に春先など温かくなってきても過剰に暖かくなる事はなく、快適に使える温度の幅はかなり広いです。
ダブルジッパーの封筒型は足元を空けたり、布団のように上をはいだりすると調整幅が非常に広いのです。
寝汗が酷い真夏以外はこれ1つでほとんどカバー出来ると思います。
横幅は80cmと表記されていますが、ダウンの量が多過ぎるせいかそこまでゆったり広々という感じはありません。
窮屈とまでは言いませんが、過剰な期待はしない方が無難です。
収納寸法はダウンシュラフとしては大きめですが、化繊封筒型と比べればかなりコンパクト!
収納袋にコンプレッションベルトが付いているので、けっこう圧縮できます。
この辺りはさすがダウンです。
ただしその分、収納袋に詰め込むのが一苦労でもあります。

自分はそれほどと感じていませんが、妻や姪っ子に任せたら10分経っても終わらずかなり苦戦していました。

側生地は撥水加工を加えた400Tナイロンタフタという触れ込みです。
撥水加工はどうか知らないけれど、まぁ耐久性は普通にありそう。
縫製は価格なりかなという感じですが、ダウン抜けは今のところ少なく、普通に使えるレベルかと思います。
ジッパーはYKK製で滑りは悪くないけれど、噛みやすそうでこれも安物シュラフではごく普通。
他には安価なダウンシュラフというと匂いを警戒する方もいるかと思いますが、獣臭はほんのりわずかに有りましたが、よく天日干ししたら気にならないレベルまで落ちました。
こんな感じで、実際に使用した感想としては性能だけで考えるとやや微妙、価格を考慮すれば合格点といった感じでしょうか。
価格を無視してもイスカやナンガの製品はダウン量から考えるに、この製品を大きく凌駕するほどの暖かさは得られずほぼ同じような暖かさだと予想できます。
価格を考慮すれば冬用封筒型ダウンシュラフとして、この製品は当時は2021年当時はほぼベストだったと思います。
現在なら、ほぼ同価格のネイチャーハイクもこの製品と同格なんじゃないかと想像しています。
イスカやイージスマックスが800FP以上でダウン量1500gの封筒型を3万5千円くらいで出してくれたら、理想的なんじゃないかと思うのですが、現在はそうした製品はまだありません。
無い物ねだりをしても意味が無いので、そんな製品が現れるまで自分はこのシュラフを使い続けようと思っています。
このシュラフは現在はAmazonから姿を消してしまったので、直接の参考にはならなくなってしまいましたが、似たような製品は今も見つける事ができると思います。
そんな時の参考にしてもらえればと思います。
それと暖かい就寝環境はシュラフ選びと同じくらい、いやそれ以上にマット選びが大切です!
今回はあえてシュラフのみの話しに終始しています。
マットに関しては→こちらを参照下さい。
快適で楽しい冬キャンプをお過ごしください。
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