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キャンプ中の倒木事故を考える

先日、倒木が就寝中のキャンパーを直撃するという、痛ましい事故がありました。→リンク

被害に遭われた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

事故の現場となった新戸キャンプ場には自分も行った事があるので、とても驚いています。

報道によると、根腐れを起こした木が強風により倒れたのが原因のようです。
こうした痛ましい事故が起きた時に自分が考えるのは、「どうしたら未然に事故を防げたのか?」です。
しかし今回に関しては、自然の中で行うレクリエーションであるキャンプではこの事故を防ぐのは難しかっただろうと思っています。
例えば「巨木のそばにはテントを張らない」なんて意見を目にしましたが、今回倒れた木は高さ約17m太さ約70cmとのことですから、それほどの巨木とは思えません。
それに木は風よけとして極めて有効で、木の少ないキャンプ場よりも木で囲われたキャンプ場の方が強風時の安心感は高く感じています。
倒木の危険性は無くなってもテントが飛ばされる可能性は高まるわけで、実際強風に煽られる恐怖感って本能的な怖さだと自分は感じます。
今回の事故も強風時に起きたようですが、風が強まると予報されていて木から離れた吹きっさらしの場所を選んでテント設営する人って稀だと思います。
あるいは「新芽が芽吹いていない木は危ない」なんて意見も目につきましたが、倒れた木に本当に新芽が無かったのかどうかはニュースなどの荒い画像からではよくわかりません。
何より新芽が芽吹いていたからと言って安全とは限りません。
自分の近所の公園の藤の木はもう枯れ果てたようにしか見えない幹です。

藤棚が無ければ、強風どころか自重で倒れてしまうでしょう。
しかしそんな状態でも毎年見事な花を咲かせています。

この公園は決して管理を放置しているわけではなく、市も定期的に点検して伐採等をしています。
数年前には毎年満開に咲いていた桜の木を、倒木の危険性があるからと伐採しました。
我が家からも見えていた桜だったのでとても残念で、なんでアレが危険なんだろうと思ったくらいです。
でもそれくらいしっかりと点検していれば絶対に安全かと言えばそうでもなく、2018年の台風21号では倒木被害がありました。

要するにプロが見たって、倒木の可能性なんて完全にはわからないという事だと思っています。
件のキャンプ場では取材に対し「キャンプ場内を毎日点検しているが、倒れた木は問題なかったので驚いている。」と答えています。(引用ヤフーニュース
まぁ本当に毎日点検していたのかはわかりませんが、素人目にすぐわかるほど立ち枯れていなかったのではないでしょうか?ちなみにこの事故を受けて、このキャンプ場からわずか3km離れた位置にあるバカンス村では
毎日、営業時間の前にスタッフが倒木のおそれがある木がないか、点検しています。17日の点検の結果、高さおよそ18メートル、太さ40センチほどの木の幹の根元の部分が半分近く枯れていたことがわかり、強風が吹いた場合などに備え、伐採したということです。」(引用NHKニュース
えっ!?
今までも毎日点検していたわけですよね?
で、事故後の点検で根元の半分近くが枯れていた…
わずか1日で半分近くが枯れるわけがありません。
要するに今までの毎日の点検では見落としていたって事ですね。
いや、バカンス村を責めたいわけではありません。
バカンス村は相模原市営の施設のようですから、管理者は特に林業に特化した方ではなく普通の方でしょう。
それがこの事故を受けて、市が専門部署から人を派遣して点検したらこうした立ち枯れを見つけることが出来たって事なんじゃないでしょうか?
要するにそれほどまでに判断は難しいのだと思います。

被害に遭われた方も、キャンプ場管理者も、どちらも本当に運が悪かったとしか言いようがないと自分は感じています…
とは言え、これだけ大きな被害が出てしまうと責任や補償の問題は追求されざるを得ないでしょう。
過去には国立公園内での事故に対し1億9千万円の賠償が命じられた例なども報じられています。→リンク今回も相応の賠償が命じられる事と思います。
そうした万が一の事故に対して、キャンプ場管理者が保険会社と契約を結んでいればそうした賠償にも応じられるでしょうが、そうした運営の内情までは自分達にはわかりません。
もし保険に契約していなかったら…
あの新戸キャンプ場の雰囲気からしてそれほど豊かな財務状況とは思えないんですよね…

先に挙げた1億9千万円の賠償は国に対して出された判決なので、しっかり補償してもらえると思いますが、民間だとそう簡単には解決しません。
「無い袖は振れない」のがこうした判決の実態でもあります。
万が一の事故で生じた高額な損害に対し、我々がとりうる自衛手段はやはり保険かでしょう。
掛け捨てならば数百円程度の安価な保険もあります。
身近なところだとアウトドア用品のモンベルが取り扱っている、モンベル野あそび保険なんかが比較的安心かな?
補償が心配な方はこうした保険で自衛するしかないと思います。

それと自分が心配するのは、こうした事故で高額な賠償を負担しなければならないというリスクをキャンプ場運営側が負担に感じる事です。
大きな企業が運営しているキャンプ場は関係無い事でしょうが、個人経営のキャンプ場などはそうしたリスクにこれからの経営に腰が引けてしまう可能性があります。
件の新戸キャンプ場などは元々がコスパの良さが売りなくらいでしたからねぇ…施設も老朽化していたし、正直営業再開は難しいかなぁ…
→後に営業再開されました!

繰り返しになりますが、被害に遭われた方には本当にお気の毒に思います。
そしてキャンプ場を運営する方々にも大きな課題が突きつけられてしまった事故だと思います。どうにもこうにもやるせない気分です。

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