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スノーピークのペグハンマーとそのコピー品

このブログではけっこう多くの種類のペグを紹介してきましたが、そう言えばハンマーは紹介していないな〜と最近気が付きました。
ペグと違ってペグハンマーはそんなに多種類のハンマーを所有していないのかと言えば、そんな事はありません!
ペグ同様に色々なハンマーを使ってきました。
これからしばらくハンマーを紹介していこうと思います。
用途・目的や好みによって、最適なハンマーは変わります。
でも一番オールマイティというか無難なハンマーだと思うペグハンマー、それがスノーピークのペグハンマーです。

ペグハンマーと言えば、皆さん先ず思い浮かべるのがスノーピークじゃないでしょうか?
「ペグを打つためのハンマーなんて何でも良い」と20年くらい前はよく言われていました。
キャンプは歴史的に登山から受け継いだ慣習が多くあります。
軽量化を重んずる登山は今でも、そこら辺の石でペグを打つのが普通です。
そんな慣習の影響を受けて、ハンマーは要らないという考えがキャンプでも蔓延していた時代があります。
とは言えオートキャンプではそこまで軽量化にこだわる必要も無いのでハンマーは有った方が効率的なのは間違いありません。
なのにテントに付属品として付いてくるハンマーはコスト削減と軽量化を狙っての事か、全く使い物にならない場合がほとんど。
これならそこらの石の方がまだ使えると思えるようなものばかり。
そしてそんな石よりも、自宅にある金槌やゴムハンマーで代用すればかなり効率良くなるので、専用のペグハンマーなど不要という感覚だったのだと思います。
それを打ち破ったのがスノーピークです。
専用のハンマーとは言え高額ながら1996年の発売開始以来徐々に愛用者を増やし、気がつけばペグハンマーのスタンダードとしての地位を確立していたのです。
ハンマーとしてヘッドは重い方がペグを打ち付けるには向いています。
しかしあまり重過ぎると腕の力が弱い人には振り上げる力を要するために使いにくくなります。
そうした事を考えた時に、スノーピークのペグハンマーはペグを打つのにちょうど良いバランスの重さだと思います。
柄やストラップも含め全重量実測で667g
そしてペグを抜くのに使いやすい形状のペグ抜きも装備されている。
要するにペグハンマーとして非常に使いやすいのです。
特別な機能などはありませんが、とにかく誰もが使いやすいバランスに優れ完成度が高い製品なのです。
同社のペグハンマーは2種類

打撃部に銅ヘッドを採用したPRO.C

スノーピーク(snow peak) ペグハンマー PRO.C N-001 ベルト付 テント タープ 設営 アウトドア キャンプ

オールスチールのPRO.S

スノーピーク(snow peak) ペグハンマー PRO.S N-002 ベルト付 テント タープ 設営 アウトドア キャンプ
銅は金属としては柔らかい部類なので、衝撃を吸収するとアピールしています。
またその柔らかさ故に、使っている内にヘッドが変形し、使い込んだ道具という雰囲気を醸し出します。
そうは言っても変形し過ぎて使いにくくなったら、銅ヘッドのみ交換することによって長く使えて経済的とも言われています。
ただ個人的にはいくら柔らかいとは言え金属なのだから、衝撃吸収を実感するほどとは予想出来ないので、安価なPRO.Sを自分は購入しました。
それに銅ヘッドのみでもけっこう高額なので、決して経済的とは言いかねるとも思っています。
スノーピーク(snow peak) 交換用銅ヘッド N-001R-1
さて、そんな考えで選んだオールスチールのペグハンマーを使ってみると、なるほど確かに使いやすい!非常にバランの良いペグハンマーです。
河原のように石がゴロゴロしているような地面だともう少しヘッドが重い方が打ち込むのには適しているように思いますが、ほとんどのシチュエーションでちょうど良い重さだと感じています。
またヘッド部にペグ抜きが付いているのも便利。
ペグ抜きには専用の道具も100均などで安価にありますが、設営中に微調整でペグの位置を変えたい時などペグ抜きに持ち替える手間無く作業が進められて、大した手間では無いのだけれど地味に便利です。
シンプルな製品ながら、試行錯誤を繰り返した末に辿り着いたであろう、非常に完成度の高い製品だと感じます。
とは言え本当にシンプルな作りなので模倣も容易で、現在はそのコピー品が溢れています。

*スノーピーク社はペグハンマーに関しては意匠権を取得していなかったようなので、コピー品は法律的に問題ありません。

打ち込むペグの本数が多いノルディスクのアルフェイムを使っている我が家は2人以上でペグ打ちする事も多いので、ペグハンマーも2つ以上必要としていたので試しにそうしたコピー品を購入してみました。
銅ヘッドは本当に衝撃吸収性に優れるのか?自分で検証してみたかったので、同じように柔らかい真鍮ヘッドのものを選びました。
真鍮は銅に2割以上亜鉛を混ぜた合金ですので、銅とほぼ同じような特性なのです。
で、使い比べた感想ですが…
衝撃吸収性に関しては、よくわからないというのが素直な感想。
ほんの少し違うような気がしなくもないのですが、プラセーボ効果のような気もします。
少しは違いがあるかもしれないけど、翌日に違いが出るほどの効果は無いという気がします。
このように、衝撃吸収性はあまり効果的と言い難いのですが、金属同士が当たった時に生じる反発が心もち低いような気がします。
跳ね返りが少ないような感覚と言えばご理解いただけるでしょうか?
おかげで力一杯たたきやすいような気がします。
これは打撃部が細かく変形しているおかげで、ペグの上を滑っていかないような感覚の気もします。
自分は専門家でないので、理論はよくわかりません。
プラセーボ効果なのかもしれません、ただとにかく力一杯たたいた時に、ハンマーからペグを押し込む力がほんの少し強まるような気がするんです。
まぁ本当に僅かな差ですけどね。
とにかく感覚的には銅・真鍮ヘッドは衝撃吸収性に関してはほとんど効果が無いけど、全く意味が無い訳でも無さそうだと感じています。

という訳でコスパを考えると、スノーピークの形状を真似た真鍮ヘッドの安価なコピー品が自分は一番お勧めです。

EXTEDRG【 ペグハンマー 2023年強化版 真鍮製ヘッド】黄銅製ヘッド 木製ハンドル アウトドア用 ペグ打ち/抜く 設営用具 安全 テント 登山 野外 フェス 工事 屋外キャンプ、ハイキング 多用 収納袋付
見てのとおり、オリジナルと比べてもほぼ似たような作りです。
でも実際に使い比べると、所詮はコピーと思う箇所もあります。
それは「すっぽ抜け防止ベルト」です。
見てわかるように長さが違います。
この長さが意外と重要なんです。
案外知られていない事ですが、スノーピークのペグハンマーには正しい持ち方があります。
多くの人は、ただベルトに手を通しただけで使用しています。
この使い方は間違いです。
正しくは、ベルトの輪に手を突っ込んだら、そこから柄をベルトの上から握るのです。
そうするとハンマーの柄のちょうど端を握るようになります。
この状態で柄は強く握らない方が良いのです。
極端に言うと、親指と人差し指だけで握るくらいの感覚。
中指や薬指は添えるだけ。
それでもベルトのおかげでハンマーと手はしっかり繋がっていますから、緩く握って遠心力を利用してハンマーを振るのです。
そうすると少ない力でペグが打てるという訳です。
更にハンマーを強く握っていないので衝撃も伝わりにくいから痺れにくい。
実際に試してみると、強く握った方が手首が固まってしまい遠心力を効果的に利用できないのがわかると思います。
コピー品のベルトの長さでこの使い方をすると、柄の2/3くらいの位置を握ることになり遠心力が弱くなることが容易に想像できます。
このように、すっぽ抜けベルト1つとっても非常によく考え抜かれた製品だという事がご理解いただけますか?
オールスチールのヘッドでも、やっぱりスノーピークの方が使いやすいんです。
銅や真鍮などの素材の違いによる性能差はあってもほんの少しですが、このベルトの違いはもう少し効果が大きいと自分は感じています。

なのでやはりスノーピークの方がコピー品より優秀だと自分は思っています。

コピー品がオリジナルに劣るのは理解できた。
でもスノピのコピーではない、他のメーカー品はどうなんだ?と言う意見もあろうかと思います。
自分が所有しているものだとキャプテンスタッグ。
安価ながらそこそこの実用性を有しコスパに優れた製品づくりで有名です。
しかしペグハンマーに関してはイマイチです。
軽さを優先したようでヘッドの重さが足らずに、硬い地面だと苦労します。
柄なども含んだ実測434.5g
とは言え、この重量差ほどの差は無いようにも感じます。
一見小さく見える打撃面も比べてみると、それほど違いはありません。
ペグを打つ能力自体はそれほど低くありません。
個人的には、ペグ抜きがヘッド側ではなく、柄の端に配されているのが好きではありません。
ヘッドの打撃面の逆側はちょっとしたシャベル代わりになるような形状ですが、使う機会は少ないような気がします。
この辺りの機能面が許せるならコスパに優れた良いペグハンマーだと思っていました。

自分は数年前にリサイクルショップで約300円で購入しましたが、新品で買っても実売価格は2000円以下だったと記憶しています。

と思っていたら、いつの間にかモデルチェンジして値上がりしています…

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) ペグハンマー テントハンマー ハンマー 鍛造 ペグ抜きハンマー UA-4516 ナチュラル 製品サイズ:(約)40×120×全長315mm
柄が木製になって見た目は良くなったけど、重量増になっています。

この価格ならスノーピークのコピー品の方が良いかな… ?

他にはogawaのテントを買うと付いてくる付属品のペグハンマー
ほとんどのメーカーがテント付属品のハンマーは使い物にならない事が多いのですが、さすがogawa!これは十分実用に足ります!!
総重量561g
柄が木製では無いので、総重量はスノーピークよりも約100g軽いのですが、ヘッドだけならあまり変わらない重さだと思います。
なのでペグを打ち込むにはちょうど良い感じで、スノーピークと遜色ありません。
ですが、すっぽ抜け防止ストラップが着いてなかったり、ペグ抜きが使いにくい形状だったり
やはり総合的にはスノーピークの方が使いやすいと思いますが、買い替えなくても十分使えるペグハンマーだとは思います。
とは言え、わざわざ買い求めるほどのものではありません。
あくまでテントに付いてくるオマケとしては十分という程度のレベルです。
一応市販もされていますが、この価格を出すならやはりスノピのコピー品を自分なら勧めますね。

ogawa(オガワ) テント用 アクセサリー アイアンハンマー 3116
このように、ペグを打つ抜くと言う基本的な作業において、スノーピークのペグハンマーはバランスの良い優等生的な製品だと思います。
価格が高過ぎるのが欠点ではありますが、ペグハンマー選びの基準という意味でもスタンダードの評価はこれからも続くのではないかと思います。
この記事が、ペグハンマー選びの参考になれば幸いです。

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