中国のアウトドアブランドNaturehike (ネイチャーハイク)だ。
ビッグアグネスやMSRなど既存の有名メーカーの人気テントをコピーして、安価な価格で売っている。
価格の割りに優秀ともっぱらの評判だ。
自分も自転車キャンプのために1つ購入して使っている。
ただしあえて、有名メーカーのコピー品ではない形状のものを選んだ。
それがNebura2だ。→紹介記事

いや通気性が良過ぎて冬ならば冷気が入り放題、雨が降ったら吹き込むリスクまである!?

ネイチャーハイクを使って感じたのは、パクリ製品なら、無意図でもオリジナルの優秀さが引き継がれ、そこそこ優秀なテントが作れる。
でも何故そういうデザイン・構造・機能なのかの意図が汲み取れていない。
結局は実際に使っているユーザーの声を開発陣が聞いていない。
あるいは、イメージで登山用テントを買うようなライトユーザーの声しか聞いてない。
しかしオクトスならば登山家である社長が開発陣にアドバイスしているのでしょうから、期待できそうです。
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雪山を除くオールシーズン対応です。
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張り綱やペグを除いて(他社だとこの状態を重量と表記する事が多い)1697gは、他社のウルトラライトなテントに比べるとやや重い部類。
フライシートの耐水圧5000mmもなかなか優秀。

オクトスは他の有名メーカー同様にグラシーは別売です。

本体の激安から考えるとグラシーはそんなに安いとは言えないけれど、専用品だとコンパクトというだけでなく設営が少し楽になることも期待できる。



ネビュラを選んだ元々の理由が実は収納寸法が短かったからなのだが、実物が届いたらポールが長かったので酷くガッカリしたものだ。


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かなり滑らかで薄手のバリスティックナイロンだが、素晴らしくしなやか!!

そして片側からポールをスリーブに通す















寒かったりしても、ベンチレーターは締め切らない!
これは鉄則です!
こうしたベンチレーターを見ても、このテントは山岳用テントとしての機能を装備しているのがよく分かります。
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例えば標高の高い冬山だと雨は全て雪になるので、防水性は考えずに通気性を優先した生地を採用するのが一般的です。
ウレタンやシリコンコーティングされていないただのポリエステルやナイロン素材なわけです。
と、褒めちぎって終わりたかったんですけどねぇ…
セットで購入したグラウンドシートです。

確かに実物を見比べた時に半分くらいに感じたけど、重さも半分だったわけです。
そんなアレコレはかなり長くなってしまうので別に記事としてまとめます。
フライシートがインナーテントに接してしまう。
このテントはインナーテントとフライシートの二重構造のダブルウォールなわけですが、ダブルウォールってのはその間にクリアランス=隙間が生じてこそ、その機能が有効化するわけです。
試し張りした時は特に問題無いと思ったのですが、初めての実使用のキャンプの時に生憎の悪天候で雨に降られたのですが、そうした状況下でフライシートとインナーテントが張り付いてしまったのです!

写真右下を見ればわかるように張り綱はもちろん、フライシート側面の裾もペグダウンしてあります。
もちろん、しっかりガイラインやループは引いています。
それでもフライシートがインナーテントに接してしまったわけです。
そしてインナーテントには防水性はありませんから、フライシート内側の水分を素通しして濡れてしまいます。

これは結露によるものなのか、フライシートの雨漏りなのかはわかりません。
普通に考えれば初張りですからフライシートの生地もシーム処理にも劣化は無いでしょうから、耐水性は万全のはずです。
耐水圧5000mmの生地ですよ!?
となれば雨漏りでは無いと思いますが、自分はもうこのメーカーに対して信頼性は皆無なので雨漏りを否定しきれません。
また結露だとしても、この時はテント内では一切煮炊きなどしていないので通常よりは条件は良い方です。
冬季の雨天ですから湿度はかなり高いので結露はしやすい状況ではありますが、これほど結露するのだとしたら、かなり通気性は悪いという事の証明でもあります。
そこに張り付きやすいインナーテントですから、最悪の組み合わせですね…
幸い発見が早かった事もあり給水タオルで拭きまくり、シュラフ等がビショ濡れになることはありませんでした。
でもまぁこれじゃあ落ち着いて熟睡出来ませんよね…
自分のテント設営が問題無かったという絶対の自信はありませんが、山岳テントって設営が容易なのが普通じゃ無いですか?
設営に責任転嫁させるのは無理があると思うんですよね。
やはり、先のグラシーでもそうであったようにここの製品は製造時(特に裁断)に問題があるんじゃないでしょうか?
グラシーの問題でメーカーの人と連絡を取り合った時に言われましたが
> 弊社生産部門に確認を取りましたところ以下のような回答でした。
> まず、ほとんどの繊維は程度の差はありますが、主に引っ張る力が加わる事で伸びが生じてしまいます。
> アンダーグランドシートの生産工程で言えば
> ・生地をカットする時
> ・カットした生地を重ねている時(重ねた状態で下の方の生地が重みで少し伸びるそうです)
> ・縫製する時
> ・畳む時
> 等の際に、なるべく伸びないように加減しますが引っ張る力を加えざるを得ないため、伸びが生じてしまうそうです。
こうした「伸び」が大きくなり過ぎて、フライシートとインナーテントが接するという、問題が発生しているんじゃないかと想像しています。
グラシーの問題でメーカーの人と連絡を取り合った時や、先行ブロガーの使用感を見ても、販売(製造)初期の製品には問題は無かったんじゃないかと思われます。
しかし工場に任せたままで製造を続けて放置してしまい、想定よりも「伸び」が大きくなって問題が発生したんじゃないでしょうか?
素人の心理で、「小さいよりは大きい方が文句を言われにくい」ので、オクトスが製造を委託している工場では「伸び」に関しては寛容な傾向にある可能性があるんじゃないでしょうか?
実際にはカットされる布地は小さいのはもちろんですが大きくったってダメなものはダメでしょう。
メーカーと連絡を取り合っても、少しくらい大きくても大事と捉えない社風を中国の製造工場も感じて、シビアに捉えていないんじゃないかと想像しています。
試し張りの時のメーカーの対応でガッカリしてしまったので、もう何度もやりとりするのもウンザリなのでこのフライシートに関しては何もメーカーに連絡していません。
もしもう一度メーカーに問い合わせたら、先ず設営がしっかり出来ているかの確認から始まるのは目に見えています。
それも雨天の同じような状況下で試さないとならないでしょう。
そんな面倒な事を何で購入者がやらなきゃならないんだよ…
こうした購入後の実検証を全て購入者に押し付けることによって、このメーカーは安価を実現しているのでしょうね。
このメーカーと付き合うのはもう疲れました…
これを最後にこのテントは手放してしまったので、もう検証する事はできません。
なのであくまで自分の思い込みと想像なのかもしれません。
でも生じた問題は事実ですので、これらをどう捉えるかはこの記事を読んだ方の判断にお任せします。
この記事がメーカーの人の目にとまり、しっかり実検証をして何か問題が確認出来たら、製造工場に改善を要求して、これからの製品が本来の性能を発揮するようになってくれれば良いな〜と思っています。
このメーカーは元々の設計思想というか機能はとても良い製品だと思っています。
先述した透湿コンプレッションバッグとかも良い発想で、使ってみると良い製品だと思うんです。
ただそうした良さも元々の設計どおりに製造されてこそじゃないでしょうか?
そうした製造管理って実はとてもコストがかかるので、こうした安価なメーカーだとそこが手抜きにならざるを得ないんでしょうね。
結果的に有象無象の中華メーカーと変わらない=好天なら良いテントになっちゃったわけです。
本当に残念です。
本来の性能が発揮されたら抜群にコスパの良い、本物の山岳テントだと思うんですけどねぇ…