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SEATOSUMITT エンバーEbIII

皆さんは「キルトシュラフ(スリーピングバッグ)」ってご存知ですか?
シュラフ(スリーピングバッグ)=寝袋の一種であろうことは名前からもわかると思います。
一般的に寝袋は形状の違いから人形型(マミータイプ)と封筒型に分けられます。
そこへ新たなタイプとして現れたのがキルトタイプというわけです。
寝袋とは名前のとおり、保温効果の高い綿やダウンを封入した袋状の寝具ですよね。
登山などの軽量化が優先される用途では、温めた空気を溜め込みやすい嵩=ロフトの大きなダウンがよく使われます。
しかしどんなに高品質なダウンでも背中側に封入されているダウンは、使用者の体重で潰れてしまい空気を溜め込むことは出来ません。
なので背中側の保温は寝袋の性能よりも、下に敷いているマットに依存するわけです。
エアマットの開発競争により、最近のエアマットは非常に優秀になって断熱性能が高くなりました。
だったら背中のダウンって無くてもいけるんじゃない?という発想からキルトタイプが生まれたのです。
背中側のダウンを省けば軽量化にも繋がるし、コストダウンにもなるし良い事づくめ!
軽量化を重要視する登山家やスルーハイカー向けの製品として紹介されているので、自分も自転車キャンプでの使用を検討したという次第です。
しかし一見良い事づくめと思われるキルトタイプはそれほど広く普及していませんし、製造販売しているメーカーも限られています。
何故なのか?を実際に購入してみた自分が検証してみたいと思います。
先ずこのシュラフを購入する動機は自転車による冬キャンプでした。
高校時代に熱中していた自転車によるキャンプを復活しようと考え、現在乗っているロードバイクで実現するためにバイクパッキングという搭載方法キャンプ道具を運び出し夏場には既に実現した。
その発展形として冬も挑んで見たくなったのです。
自転車キャンプのブランクが長いアラカンの親父ですから、道具は快適性の高いものでないと耐え切れる自信がありません。
となると既に持っている夏用やオートキャンプの重くてデカイ道具を使い回すには無理があります。
大部分の道具を買い足さねばならない。
となると使える予算には限りがあります。
一番高額になる寝袋ですから、割ける予算は5万円以下に抑えたい。
冬の安眠とは言い換えれば暖かさとも言えます。
自分がやる自転車での冬キャンプでしたら外気温ー2〜−5度くらいを想定しています。
寝袋ですと、自分の体質的にはヨーロピアンノーム(EN)という規格でコンフォートー5度くらいあれば、暖かく熟睡できるはず。
使い捨てカイロを併用したりちょっと工夫すればENコンフォートー2度でもまぁ何とか我慢できるんじゃないかな?
軽量化を重視すると言っても、実は自分は重さにはそれほど執着していません。
競技のようにタイムを競っているわけではありませんから、少しくらい重くたってゆっくり漕げば疲労度なんて極端には変わりません。
しかし、先述したバイクパッキングは積載能力がそれほど高くありませんから、積める荷物の量には限界があります。
なので重さにはあまり拘らないけれど、できる限りコンパクトにまとまる道具が好ましいと考えています。
そして重さと収納寸法は密接な関係にありますから、結果として軽量なモデルを探せばコンパクトなモデルに当たりやすいので先ずは重さを見ているといった感じです。
目安としてはだいたい総重量800g以下、1kgでもコンプレッションベルト等で圧縮すればなんとかパッキングは出来ると思います。
価格5万円以下・温度−5度・重量800g以下、これを理想としていくつか候補を挙げてその中から寝袋を選んでいこうと考えました。
先ずは自分も30年以上前から愛用しているモンベルからドライシームレスダウンハガー 900 #1
モンベルの中でもハイエンドな900FPの超高性能ダウンを使用しているシリーズ。
ENコンフォート−3度とやや不足気味で総重量も864gとややオーバー。
(900FPのこのシリーズではこれ以上の極寒向けのモデルは無い)
ただし、側生地にゴアテックスを使用しているので、シュラフカバーが無くても結露で濡れることも無く、シュラフカバー分(約360g)軽量コンパクト化するのでその点は問題無い。
今現在、一番高機能と思われるシュラフなのだ。
価格は定価69850円とやや予算オーバーだがシュラフカバーの予算が浮くのでこの時点でほぼ予算内、更にモンベルは時々アウトレット価格で販売することがあるので、タイミングが良ければ予算を下回る可能性まである。
次は国産三大シュラフメーカーの一角、夏用シュラフに自分も愛用しているイスカ エアプラス630
イスカ(Isuka) エアプラス630 タン 80(肩幅)×213(全長)cm (収納サイズ φ20×34cm)
800FPの高性能ダウンを630g封入で総重量は1030g、EN規格での対応温度を公表していないが評判等を見るとだいたいコンフォートー5度くらいではないか?
数値には表しにくい寝心地に優れたメーカーで、国産メーカーの中では一番好感が持てる。
暖かさは満足できると思うが、総重量1kg超えは正直辛い。
価格は61600円とやや予算オーバー。
オートキャンプならば一押しなんですが…
安価な中国製からは圧倒的コストパフォーマンスを誇るイージスマックス G3
AEGISMAX (イージスマックス) G3シリーズ スリーピングバッグ アウトドア キャンプ 秋 冬 マミー 暖かくキープ グースダウン
800FPの高性能ダウンを952g封入し総重量1350g、圧倒的ダウンの総量でENコンフォート−8度と凄まじい暖かさ。
足元がやや窮屈だったり、寝心地などではイスカやモンベルにやや劣るというのがもっぱらの評判。
ヨーロピアンノームに準拠しているはずなのだが、モンベルなどに比べると実際の体感は少し控えめに考えたほうが良いとの噂も聞く。
となればこのモデルも実際にはコンフォート−6度くらいに考えておくべきか?
価格は38000円と国産メーカーでは中古でもあり得ない激安で、悠々予算内。
暖かさと価格は理想的なのだが、重量が…
さすがに1350gはいくらコンプレッションバッグでギチギチに絞ってもそんなに小さくなるわけがない!
どんなに優秀な寝袋でも、積載出来なければキャンプに持って行けない、すなわち使いようが無い。
実際夏キャンプでは寝袋を持たずに行ったこともあるけど、やっぱり夜中は寒かった…
厳寒期にそんなことやったら風邪ひいちゃいます!(汗
金にいとめをつけないならば超高級シュラフで有名なキュムラス Xライト400
CUMULUS キュムラス X-LITE200 X-LITE300 X-LITE400 350~575g 900PF 超軽量 コンパクト シュラフ ダウン 寝袋 限界温度0~マイナス7度 ポーランド製 高級ダウン 夏用 冬用 シュラフ (X-LITE200 スカイキャプテン)
900FPの超高性能ダウンを400g封入して総重量575g、ENコンフォート−1度と、軽いのは良いがさすがに厳寒期には対応が難しい。
しかしキュムラスは別料金を払えばダウンを増量出来るので、希望のスペックには出来る。
でも標準でも75900円と高額なのが更に高価に!? 完全に予算オーバーです。
ダウン増量すれば、軽さや暖かさは理想を追求できるでしょうが、自分の予算ではマットもテントも買えなくなっちゃいます!!(泣
そしてついに今回の主役、シートゥーサミット
エンバーEbIII
モンベル・キュムラスにはわずかに劣るが超高性能な850FPのダウンを500g封入で総重量は725gで、ENコンフォート−10〜−4度
総重量725gはモンベルと比べても軽く理想的、だが背中側の無い半身と考えれば圧倒的な軽量化とまではいかないと感じたのも本音…
モンベルは側生地に重くなるゴアテックスを使っているので、実はシュラフ単独で見ると軽量性の面ではやや不利に感じるがシュラフカバー使わなくて良いのでトータルで軽い。
そしてキルトタイプも、シュラフカバーは使わないのが一般的。
何故なら、構造的にシュラフでマットを包み込むような使い方なので、使用時はマットよりも幅広になるわけです。
シュラフカバーをかけようと思うと相当な横幅が要求されるので、一般的なカバーでは対応できない。
すなわちシュラフカバーは使えないって事です。
なのでシートゥーサミットではダウンを撥水加工する事により、少しくらい結露で濡れても支障が出ないように工夫しているのです。
となれば、これもシュラフカバー分の軽量化と予算削減が出来るという事です。

価格62260円はシュラフカバー分も考慮すれば予算に収まります!

ただスペック的にコンフォート−10〜−4度とほぼ理想の暖かさだが、その対応温度の幅が広いのが不安要素。
使用マットによって変わるって事かな?なんて最初は考えていました。
結局自分の条件に合致するのはモンベルのドライシームレスダウンハガー 900 #1か、シートゥーサミットのエンバーEbIIIしかない。
この2つで比較すると数字だけ比べれば全てにキルトが優位だ。
でも本当にキルトの方が優れているのだろうか?
自分自身を含め、周りでキルトを使っている人が誰もいないので本音の評判も聞けないし正直不安要素が多過ぎる。
そして価格も背中側が無い半分と思えば、そこまで安くはない、モンベルとはわずか数千円の差額だ。
好奇心で手を出して失敗した場合の授業料としては高額過ぎる…
というわけで自分としては安心安定のモンベルでほぼ決まり!
ただ予算内とはいえ安いに越したことはない。
先述したようにアウトレットが見つかればそれでいきたい。
なのでしばらくはモンベルのオンラインアウトレットコーナーを監視するのが日課になった。
同モデルのロングタイプは見かけることもあったが、レギュラーはアウトレットになかなかならない。
身長170cmの自分でロングタイプは足先が余るので、大きく重くなるデメリットだけで何のメリットも無い。
うぅ〜ん他に安く売っているところはないかとオンラインショップをいくつか見ていて、ふと気が付いた。
ヨドバシでシートゥーサミットのエンバーEbIIIが激安なのだ!?
スクリーンショット 2024-01-04 7.51.14.png
48800円!?
何故かはわからないが、ダウン量の少ないEbIIよりも安いのだ!!
ここから更に10%ポイントが付きましたから、実質約4万4千円!?
シートゥーサミットの日本代理店=ロストアローでもそんな安値では売っていない。
多分、価格設定の間違いか予定外の過剰在庫処分だろうか?
どちらにしてもずっとこの価格なわけがない。
モンベルではアウトレットといえど、ここまで安くなることはあり得ない。
予算は5万円と設定していた自分ですが、あれほどの高性能を求めたらそんな安値で見つかるわけがないと思っていたのが本音。
実現不可能な理想としての目標だったわけです。
それがキルトにすれば、実現可能になった…
日本ではまだまだ少数派のキルトだが、海外では徐々に人気が上昇しているとも噂は聞く。
シートゥーサミットはマットを使ってみて非常に高い開発能力を有した優秀な企業だと感じている。
そんなシートゥーサミットが作るキルトシュラフ…
販売はヨドバシ.comだが、ヨドバシはグループ企業内にイシイスポーツを有しているので、こうした本格的なシュラフは石井スポーツの取り扱いになるはずだ。
アフターフォローも心配はないだろう。
これだけ安いなら試す価値はある!
というわけでシートゥーサミットのエンバーEbIIIを購入!!!

先ずは重量確認
スタッフサックに入れて771.5g

スタッフサックは実測53.1gだったので、シュラフ本体は718.4gです。
公称値は725gですから、だいぶ正確な数値を公表しているんですね。
これは実使用に期待が持てます!

キルトシュラフを入手したら、必ずマットも併用しなければならない。

1万円台でそこそこ軽量なのにR値5.8という激安コスパなモデルだ。
使い方としては先ずはシュラフとマットをセットする。
通常のキルトシュラフは広げると1枚布の掛け布団状態になるものが多いのだが、自分が購入したEbIIIは厳寒期使用を想定しているモデルなので、足元だけは通常の寝袋と同様に袋状になっている。
なのでその袋部に膨らましたマットを差し込む。
そしてそのままでは側面から隙間風が入り込んで寒くなってしまうので、背中側に付いているベルトをバックルで止める。
この時にベルトの長さを調整するわけだが、短く絞れば隙間無くシュラフが身体に密着するので暖かく使える。
ベルトを長めに緩めれば、締め付けが緩くゆったりと使えるのだ。
そう!ENコンフォート−10〜−4度と適応温度に幅があったのは、こうしてセッティングにより暖かさが変わる事に起因しているのでしょう。
キルトシュラフは自分の体型や外気温と寝心地を鑑みながら、自分好みに変えることができるのだ。
封筒型寝袋のように広々と寝返りも打てるし、人形型のようにタイトに暖かくもできる。

キルト型の最大の魅力はこうした自分好みに出来る値応力の広さだと、実際に使ってみて感じた。

ただ思ったように調整できずにイマイチ使いにくく感じるかもしれない可能性もある。
初めて使った時は真ん中のベルトのバックルに不具合があった事もあり、隙間風が入り込んで外気温2度程度の寒さで目が覚めた事もあった。
何も考えず寝袋に潜り込めば暖かいというわけにはいかないのが欠点かもしれない。
ただ一方で、内部がマットの広さを確保しているので、一般的な人魚型よりはかなりゆったり広く使える。
普段のオートキャンプでは封筒型をよく使う自分としては、寝返りもうてるこのユッタリ加減は魅力だ。
とは言え軽量性を優先してダウンの絶対量が少ないので、いくら高FPのダウンとは言え内部に隙間空間が生じてちょっと寒々しい気がする。
いや高FPであるが故にダウンの重さで身体に張り付いて来ないで、フワフワしているから隙間空間が生じてしまうのかもしれない?
調整ベルトを絞っても、マットの横幅以下まで絞るのは無理がある以上、側面に隙間が余るのはどうにもならない。
ENコンフォート−10〜−4度はちょっと大袈裟で、ー2〜10度くらいの評価が適切な気がする。
身体の大きな人ならまた違うのかもしれないが、自分の体型だとそのように感じた。
でも、対応温度の幅はかなり広い!
バックルを外してしまえば、布団をかけたり剥ぐような感覚で温度調整が出来るのも魅力。
この辺りは封筒型の使い方に似ている。
一方でキルトシュラフのイメージである軽量性などはそれほど期待できない事もわかった。
構造的にマットの側部および一部下部まで包み込めないとならないので、かなり幅広く作らなければならないのだ。
普通の人形型の背中側を縦に切り裂いただけで、ほぼ人形型と大差無いような気がする。
せいぜい1〜2割背中側が削減できただけだ。
だから実際その程度の軽量化に留まっているというわけだし価格もそのくらいしか安くできないのだろう。

そしてその1〜2割削減した分くらい、対応温度も低下しているような気が自分はしている。
実際に使用してみると、構造的に隙間風が入り込みやすいからか?、ユッタリし過ぎているせいで内部の空間に余裕があり過ぎるからか?、どこか寒々しさを拭いきれなというのが自分の素直な感想。
けっきょくマミータイプとほぼ同量のダウン量で同程度の暖かさだと思う。

フード部も無いので肩口から冷気が入りやすいのも欠点と言わざるを得ない。
これに関しては、モデルによってはドローコードやスナップボタンが装備されてフード的に使えたり、

フード付きパーカーを着込んで寝るなどの対策で改善出来る。

ただ、そういう使用時の工夫が出来る人向けの製品だとも言える。

使用時の工夫というなら、寝袋としての使用に限定しなくても良い。
例えば、椅子に座っている時にブランケット代わりとする使い方も出来る。
他にも使用者の発想と工夫次第で色々と使えるだろう。

そういう意味では全体的には人形型よりも封筒型が進化したような使い勝手がキルトタイプという感覚。

キルトタイプに興味を持たれた方へ使用者としてアドバイスするなら、軽量化は期待しない方が良いが、寝心地は良くいろいろな使い方で遊べるシュラフだと言える。

付属品も少し紹介。
先ず保管用(ストレージ)バッグ。
この寝袋は店頭では、小さなスタッフサックではなくストレージバッグに入れられた状態で展示販売されています。
考えてみれば保管状態としては小さく圧縮した状態よりも、この方が良いのは当たり前。
これなら少しくらいバッグヤードで在庫されていても安心です。
そしてもちろん、小さなコンプレッションタイプのスタッフサックも入っています。
スタッフサックに収納するとこんな感じ。

コンプレッションベルトが付いているので圧縮できるのがありがたい。

全体にとにかく使いこなすには慣れや工夫が必要だが、そういう工夫が楽しいと最高の道具と感じられると思う。

そんな感じで色々遊んだ結果…
けっきょく購入候補として最後まで比較して悩んだドライシームレスダウンハガー 900 #1も買ってしまいました!?
せっかくなので、エンバーEbIIIと比べてみましょう。
先ずは収納寸法、スタッフサックに入れた状態で

ダウンハガー900#1の方がわずかにコンパクトか?
とは言えエンバーは標準で圧縮できるので、もっと圧縮するとエンバーの方が更にコンパクトになる。

とは言え、ダウンハガーだって別売のコンプレッションバッグを使えば更に圧縮できるわけで、正直極端な差は感じない。FP値はエンバーが850でダウンハガーは900と50程ダウンハガーの方が優秀なはずだが、異なるメーカーでの50くらいの差はあまり当てにならない。
収納袋から出して実物を比べてみよう。

ダウンハガーの方がややフックラしているように思う。
側生地を含む本体重量がエンバーEbIIIは725gで、ダウン充填量500gが封入されている。
対して、モンベルはダウンの充填量を公表していないので比較しにくいが、ダウンハガーは側生地を含む本体重量が864g
ドライシームレスダウンハガーは側生地にゴアテックスを採用しているので、側生地はダウンハガーの方が重い。なのでダウンの充填量はだいたい似たり寄ったりなんじゃないかと推測しています。
それなのにダウンハガーの方がフックラしていて、収納時はややコンパクト。
どうやら、FP値50の差は実際にありそうです。そして寝比べてみると…
うぅ〜ん暖かさはドライシームレスダウンハガー 900 #1の圧勝ですね。
気温0℃くらいでエンバーEbIIIだと正直肌寒いけど、ドライシームレスダウンハガー 900 #1だとヌクヌクです。
ドロップコードやスナップボタンの使い方にもよると思いますが、2〜5℃はドライシームレスダウンハガー 900 #1の方が暖かいように自分は感じました。

じゃぁエンバーEbIIIの惨敗かと言うとそうとも言い切れない。
寝心地に関してはエンバーEbIIIの圧勝です。
モンベルも昔から生地がよく伸びるので「寝袋の中で胡座がかける」と言われたほど寝心地が良かったのですが、ドライシームレスダウンハガー 900 #1は側生地にゴアテックスを採用したせいかほとんど伸びないしタイトな作りで窮屈です。
軽量と暖かさの両立のために快適性は諦めたと言う感じです。
対してエンバーEbIIIはメチャクチャ快適なのに軽量、代わりに暖かさが少し足りないって感じです。
自分は快適性を求めてオートキャンプの時には封筒型のシュラフにこだわっているのですが、封筒型に迫る快適性なのに大きさは半分くらいって感じです。
自分は寝相が悪い事を自覚しているので、軽量コンパクトさが求められる自転車キャンプと言えど快適性は犠牲にしたくないと思っています。
そういう意味ではキルトシュラフは非常に気に入りました。
ただそうは言っても自転車に積載するには大きさの限界があるので、最低気温0℃くらいが想定されるシチュエーションだとドライシームレスダウンハガー 900 #1の方が自分には適していると感じます。
最低気温5℃以上ならばエンバーEbIIIの方が快適に寝られそうです。
要するに使い分けですよね。

それに快適に使用できる温度の幅が広いのもキルトのメリットと感じました。

自分のようにいくつもシュラフを所有したくない人ならば、本当3シーズン快適に対応できそうなエンバーEbIIなんかかなり魅力的に感じます。
SEATOSUMMIT(シーツ―サミット)エンバー EbⅡ レギュラー
これ1つで熱帯夜の真夏以外の春〜夏〜秋まで快適に使い回せて、しかも寝心地が良い。
なのに大きさは普通のマミー型3シーズンと大差無し。
そして厳冬期でなければ、実は冬も何とか我慢できる。
こんな尖った製品を選ぶような人ならば、ダウンジャケットやダウンパンツは既に持っているのではないでしょうか?
そう、それらダウン衣類を着込んで寝れば、十分以上に暖かくなるのです。
もちろんマミータイプだってダウン衣類を着込めばもちろん暖かくなる。
しかしウルトラライト系の厳冬期ダウンシュラフなんて元々窮屈な傾向にあります。
実際ドライシームレスダウンハガー900#1はかなり窮屈で決して快適とは言い難いです。
それがユッタリしているキルトシュラフですと、これがちょうど良い具合なんです。
着込みすぎて暑くなってきても温度調整がキルトタイプはやりやすい。
実に合理的なんです。
工夫次第でどんどん自分好みに出来るのがキルトタイプの良いところです。

 

製品としての紹介はとりあえず、こんな感じだが自分の個体に限り、人によってはどうでもいい事だと思うだろうがちょっとした不具合があったのでそれも報告。

背面のベルトの留め具が1つ裏返っていたのです。

左右のベルトでスナップボタンが裏返っていますね。
まぁそれだけっちゃぁそれだけです。
ベルトを捻って使えば使えます。
ただそうやって留めてベルトを引っ張たら、捻れに留め具が引っかかって思うようにベルト調整が出来ない時があったんです。
ならば自分でベルトをぐりんと裏返せば良いのかもしれませんが、このプラスティック製留め具はそんなに隙間が広くはないので、無理すれば出来そうな気もするけれど、無理し過ぎてバキっと割ったら嫌だなぁ〜と思いまして…
まぁ結局、購入店に連絡を入れて対応してもらって事なきを得ました。
この不具合は極めて軽微な不具合なので、気にする必要は無い事ですが、購入店の対応がいわゆる神対応だと感じたので、その顛末もちょっと詳しくまとめておきます→リンク

冬季の寒さに対してはやや微妙ですが、寝心地の良さや対応気温の幅広さは圧倒的なのでそうした点を重要視する方にはキルトシュラフお勧めします!

 

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