先日のキャンプレポートでも紹介したのだが、蛇石キャンプ場で蛇と遭遇した。
コット下を整理しようと思って、そこに手を入れると何か不思議な感触!?
コット下には各種道具が入っていたスタッフサックなどを置いていたのだが、そうした布地とは明らかに違う、非常に滑らかな触り心地。
もしや?と思ってそっとスタッフサックをかき分けるとつぶらな瞳とご対面!?(苦笑
「うわっ! 可っ愛いぃ〜♪」と思わず叫んでしまった。
目がマムシとは違うのがすぐに分かりましたし、全く威嚇してくる様子は無い。
すなわち一触即発の危機的状況ではありません。
蛇の体表はヌメヌメしているとか勘違いしている方も多く見受けますが、そんな事は無く滑らかで気持ち良いんですよ!
思わずもう一度撫でてしまいました(苦笑
このように自分は爬虫類が苦手ではない。
でもだからと言って詳しいわけではないのです。
なのでこの時もこの蛇が何蛇なのか?はわからないままでした。
日本には人間を丸呑みできるような大蛇はいませんし、気をつけるべきなのは蛇が毒を持っているかどうかでしょう。
日本にはマムシ・ヤマカガシ・ハブの3種類しか毒を持った蛇はいません。
そしてハブは沖縄にしか生息していないので、沖縄以外の日本で気をつけるべきはマムシ・ヤマカガシの2種類のみなのです。
一般的な毒蛇の代表格=マムシは見てすぐに分かりやすいです。
頭の形が菱形で目がいわゆる猫目です。
*出典神戸市
体表の色や柄は地方により様々なので、素人に色柄での判別は難しいと思います。
とにかくこの頭の形で判別するのが分かりやすいと思います。
気性はやや荒く、近づくと鎌首を持ち上げて威嚇してくる事も多いです。
普段はジッとしている事が多いのですが噛む時の動作は速く、かなり危険な蛇だと言えます。
とは言え、人間を発見したからといって遠くから移動してきて襲うような事は無く、一般的には50cm以内に近寄らなければ噛まれる事はほとんど有りません。
要するに見つけたら、襲われる前に離れれればまず安全だと思って大丈夫です。
そしてヤマカガシ。
頭と胴体がそのままスラっと繋がっているような形で、目はつぶらな印象です。
マムシ同様に色や柄での判別は難しいのですが、首の辺りに黄色いラインがあるのが特徴です。
そう! 今回自分が遭遇した蛇がヤマカガシだと思われます。
性格は温厚で近寄っても噛まれる事は稀です。
自分なんて見つけた時はあまりの愛らしさに思わず撫ででしまった程です。(苦笑
危険を感じても蛇の方が逃げるくらいです。
噛まれても毒牙は上顎の奥にしかなく、毒が注入される事は稀です。
性格が臆病で噛むことが少なく、更に噛んでも毒が注入されることは稀。
要するによっぽどの偶然が重なり合わないと毒にやられる事は滅多に無い。
なので1972年に中学生が噛まれて死亡する事件がおきるまで、ヤマカガシは無毒な蛇だと専門家の間でも認識されていたくらいです。
統計を取り始めた1970〜2020年までの50年間で咬傷事例はわずか43件、その内死亡事例は5件のみ!
噛まれた事例が年1回有るか無いか、死亡事例に至っては10年に1度程度なわけです。
マムシは1年間で約3000人が咬傷し、更に年間約10人程度が亡くなっていると言われています。
まさに桁違いの死亡実例なのです。
なので世間一般ではマムシに比べて危険度は低めに考えられています。
でも少ないながらも死亡事例はあるわけです。
と言うか、わずか43件の咬まれた中から死亡例が5件!!
すなわち咬まれたら1割以上の確率で亡くなっているのですから、これはかなりの致死率と考えるべきです。
マムシのわずか0.3%と比べるとこれまた桁違いの致死率です。
実は毒の強さはマムシの数倍と言われています。
なので絶対に噛まれてはいけない毒蛇と認識すべきです!
マムシもヤマカガシも向こうから襲ってくる事は基本的にありません。
人間が気付かずに蛇のテリトリーに侵入するから、蛇は自身を守るために噛むわけです。
なので発見したらとにかく近寄らないこと!
熊などのように撃退スプレーなどは必要ありません。
放っておけばマムシもヤマカガシも逃げていきます。
過剰に怯える必要はありませんが、興味本位でちょっかいを出さないことが重要です。
万が一に噛まれた場合は119番に電話をするなどして、指示を仰ぐのが一番です。
その際にどんな蛇に噛まれたかを告げておくと、血清の手配等の対処がスムーズに出来るので重要になってきます。
蛇毒というのは早急に血清を打てば生存率はかなり高いのですが、種類が違ったら全く効果がありません。
なのでこの2種類の蛇だけは覚えておくと良いと思うので、こうして紹介しているのです。
山遊びが大好きだった父親が、自身で捕まえたマムシを焼酎に漬けたものを得意満面で子供の頃の自分に見せつけたのでマムシはハッキリと覚えていました。
焼酎に浸かっているのに数日生き続けた強い生命力が印象的で、しっかり観察したおかげでしょう。
しかしヤマカガシは今ひとつよく覚えておらずに、ついつい可愛く感じてノンビリと撫でてしまうなんて愚挙に出てしまったわけです。
今考えると流石に危機感が足りなかったと反省。
博物館で実物を見た記憶はあるのですが、もっと黒っぽい体表だったので鮮やかな色をしていた今回の個体がヤマカガシだとはすぐには思えなかったと言うのが自分の言い訳です(苦笑
マムシにしろヤマカガシにしろ、キャンプ場のような野外に生息している可能性はそれなりにあります。
ちなみに今回ヤマカガシと遭遇した蛇石キャンプ場は、蛇が多く生息しているから蛇石という地名な訳ではなく、大蛇のような形をした珍しい天然石が川中に有るからこうした施設名がついているだけです。
山中としては標準的な土地柄であり、要するに野外ならばどこでもヤマカガシやマムシと遭遇する危険性は有るのです。
とにかく、蛇にも気をつけようというのが今回の反省でもあり、皆さんにも注意喚起としてお伝えしようと思った次第です。
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