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不朽の名作 マクラーレン ガダバウトチェア

自分が昔から大好きで愛用している椅子、それがこのマクラーレン ガダバウトチェアです。

自分が初めてガダバウトチェアを知った1980年代は、キャンプ用の椅子と言えば折りたたみ式のディレクターチェア全盛でした。

コールマン(Coleman) チェア ツーウェイキャプテンチェア グリーン 折り畳み 収納ケース付 2000031281
しかしガダバウトチェアは1.6kgと軽量で、ポップな色使いのおかげでとてもお洒落なように思えたのです。
でも1万5千円くらいの販売価格だったので、当時まだ大学生でお金も無かった自分には高嶺の花でした。
それでもどうしても欲しかったので先輩から安く譲り受け・・・
使ってみたら想像以上に素晴らしいっ!
包み込むような座り心地で、体重を背もたれに預けてギシギシするとまるでロッキングチェアやハンモックのよう!
お洒落なボーダー柄と、優れた座り心地、それでいて他の椅子よりも圧倒的に軽量!
これで人気が出ないわけがない!!
高額な価格設定にも関わらずとてもよく売れていたようです。
しかし欠点が無いわけでは無い。
いやむしろ重大な欠点があります。
それは・・・
壊れやすいっ!
先ほど述べたようについつい後ろに体重をかけてギシギシと座ってしまう。
地面に潜り込みやすい脚のせいもあって、後ろにバッタリとよく倒してしまったものです。
で、それを何回か繰り返してるうちにグッチャリとパイプ接合部を壊してしまった事がありました。
自分の知人は座面のシートをベリベリと破いてしまった人もいましたね。
それでも皆、懲りずに買い直すくらいガダバウトチェアは人気がありましたね〜
でもやはり世界中でそうやって壊す人が多い、即ち欠陥商品と考えられたのか?、2000年頃に生産中止!
しかし復活を望む多くのユーザーの声に押されて復刻版が登場!
でもこの復刻版あまり評判が良く無かった・・・
自分も持っていますが、確かに色々と微妙・・・
結局マクラーレン社は再び製造中止に
その後紆余曲折を経て現在はマクラーレン社の許可を得て、日本のA&F社が非常によく似たヴァガボンドチェアを製造販売
現在、自分の手元にあるのは1970年代の初期製造品と、1990年代の中期製造品、一旦製造中止からの2000年代復刻版、この3タイプです。
(初期製造品は譲ってくれた先輩がそんな風に行っていたような記憶があるので、70年代と表記しましたが記憶は曖昧なのでもしかしたら違うかもしれません)

緑が70年代(初期型)・青が90年代(中期型)・赤が復刻版です。
実際にはもっと細かく仕様変更は行われていて、いくつものバージョンがあるはずですが、大まかな仕様を見るのに役立つかと思い以下に紹介してみます。
まず初期型と中期型を比べてみましょう。
グリップが特徴的です。

初期型はシートと同系色のチューブを被せたような感じです。
中期型はしっかり成形された樹脂製グリップが嵌められています。
グリップ以外の接合部も初期型はチューブを被せたような感じですが、中期型は樹脂パーツ嵌めています。

リベットは初期型が塗色していないのに対し、中期型は黒に塗色しています。
肘掛代わりのテープが初期型はシート同系色ですが、中期型はシートに関係無く黒です。
細かいところですと、収納時に纏めるためのゴムバンドが初期型はグレーですが、中期型は黒です。
初期・中期で座り心地は全く変わり無く、サイズや重さもほとんど変わらないと思います。
そして復刻版はサイズが大きくなっているのが、3つ並べた写真でよくわかると思います。
重量はケースに入れず本体のみで実測すると初期・中期は1.55kg
復刻版は1.89kg
アルミパイプも初期中期は塗色されていませんが、復刻版はグレーに塗色されています。

(素材はどちらもアルミという話です)
生地は大きく変わり、復刻版はウレタン塗布されたようで裏一面に塗色されています。

初期・中期はペラペラで高級感はありませんが、蒸れづらく濡れてもすぐに乾くというメリットもありました。
何よりツートンのボーダー柄が、目立つ裏面から消えたのは悲しい・・・
接合部の樹脂はシンプルな造形に変更。
グリップの樹脂も少し素材が変わっているようです。

(復刻版だとスポンジ状の素材に変わっているバージョンもあるようです)
脚の先端キャップの形状も変更。

(初・中期は地面によくめり込んでいたので、この変更は進化と呼べるかもしれません)
gadabautのロゴワッペン縫い付け位置も変わりました。

収納ケースも大きく変わりました。

シートと同系色(この場合は青い)ケースが中期型・シートの色に関係なく全て黒いケースが復刻版。
復刻版のケースにはストラップが付いていないので、持ち運び時に不便です。
背もたれ部にベルトが付いたのですが、背もたれに体重を預けてもこのベルトが補助的な役割を果たすような長さではありません。

収納時のストラップという説もあるのですが、この形状では意味を成すとは思えません。
座り心地は初期・中期と座り比べると、復刻版はやや包み込まれるような感覚に乏しく、やや座りが浅いように感じます。
要するにリラックス感が薄れた印象。
それと軽量が売りだったのに300g以上も増量なのはいただけない。
と、まぁ復刻版は評判がよろしく無かったようです。
でも重量増に伴うパイプと生地の変更により、耐久性は改善されたようです。
それとヴィンテージに拘る方で問題なのが、初・中期の生地は体重がかかると少しずつ裂けてしまう仕様です。

拘って初期・中期品を使い続ける人の中には自身で修理をされる方も見受けられますが、綺麗に根本的解決をするのは難しいのが現実・・・
自分は粘着テープを使った簡単補修を試みましたが、成功とは言い難いです。

コニシ 強力補修テープ ボンド ストームガード クリヤー #04929 50mm 透明 50mm幅
メルカリやヤフオクで入手を狙っている方は、基本的にこの年代のガダバウトチェアは縫い目から裂けている前提で考えておいた方が良いです。
もっと新しい年代のogawaのハイバックチェアですが、中古購入で痛い目をみた自分の体験談を参考にしてください→リンク
現在はヴァガボンドチェアを製造しているA&Fが修復をしてくれると聞いていますが、それは復刻版と同様の生地に張り替えらしいので、それは最終手段にしたいです。
現在A&Fが製造販売しているヴァガボンドチェアは中期品に近い仕様らしいので復刻版よりは評判が良いようです。
しかしキャンプサイト全般をオーガニック系統やアースカラーで統一しようとしている最近の自分には、派手な色のヴァガボンドチェアを購入する気は薄れています。
最近はogawaのハイバックチェアを主力に使うようになったので、出番も少なくなりこのまま壊れてしまったら諦めようかとも考えています。
現代では軽量性を重視するならば、ヘリノックスという選択肢もありますし・・・
ロースタイルならばヘリノックスのチェアゼロ、ハイスタイルでもノルディスクのコンゲランドという組み立て型の軽量な椅子を使っていますが、座り心地を含めてかなり優秀です。
ですが、やはり組み立て型はやはり設営が面倒なのも本音です。
いまだに軽くて手軽に展開できるガダバウトは唯一無二の存在です。
ちなみにgadabautとは「遊びまわる人・出歩く人・旅する人」といった意味があるそうです。
ステッキ代わりになるようにと設計されたこの椅子。
出番は減ってももうしばらくは共に遊び回ってもらおうと思います・・・
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