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村の鍛冶屋 エリッゼステークを比較

レジャー目的のテント・タープ設営時の代表的なペグの1つにソリッドステーク、通称ソリステと呼ばれるペグがあります。
スノーピーク(snow peak) ペグ ソリッドステーク 20 R-102

スノーピーク(snow peak) ペグ ソリッドステーク 20 R-102

スノーピーク が開発した鍛造スチールのペグ、これは本当に素晴らしいです。
それまでのペグの概念を変えたと言えるほど革新的なペグだと思います。
円柱形のヘッド形状なので、ハンマーで叩く際に叩きやすく滑りづらい。
これにより力一杯叩きやすく、そしてその打撃力が効率的にペグへ伝わっていくのです。
更にペグ本体が強靭な鍛鉄で作られているので、その打撃力を受けても折れたり曲がったりしない。
そのおかげで、地中で岩などに当たっても打ち砕いて突き進むのです。

長さに関しては30cmクラスが一番使いやすい長さだと思います。
20cmクラスでは軟弱な土質や強風時に抜けてしまう恐れがあります。
40cmクラスだと強風時などは安心感がありますが、収納時に邪魔になりやすいと思います。
十分な保持力を有しつつ、携帯性も悪くは無い、そうしたバランスは30cmクラスがちょうど良いように思います。
とは言えテントの特性によっては20cmクラスでも十分なものもありますし、ペグ打ちが大好きな人なら40cmクラスの安心感と満足感は代え難いものがあるでしょう。
そうした各種の長さが豊富なのもソリステの魅力の1つです。
そのソリステと人気を二分する鍛造ペグが、エリッゼステーク、通称エリステです。
ソリステの誕生が1997年、意匠権も切れているので多くのコピー商品も登場し、代表的コピー商品のエリステと訴訟にまで拗れているのは記憶に新しいところ。
そうした悶着を尻目にAmazonでは中華製の鍛造スチールペグが本家の半額〜1/3前後の安価な価格でたくさん売られています。
訴訟の行方は別の記事で紹介していますので、ここでは主にソリステとエリステ、ついでに中華鍛造鉄製ペグとの比較を検証してみようと思います。
先ずはエリッゼステークの紹介を軽くしておきましょう。
エリステはソリステの単純なコピーでは無く、独自の改良点もあります。
自分が感じる、最大の改良点は多色展開している事です。
ソリステは長さは種類豊富ですが色に関しては原則的に黒色のみですが、エリッゼステークは好みに合わせて色々な色が選べます。
 *引用村の鍛冶屋HP
テントなどと合わせてカラーコーディネイト出来るのも嬉しいのですが、何より目立つので紛失しづらいのが自分にとっては最大のメリットです。
(現在はスノーピークもヘッド部に塗色して多色展開しています)
もちろん色だけでなく、長さに関してもエリステもソリステ同様に豊富に揃えています。
ただし、各クラスともエリステは2cm短い設定なのです。
価格も黒同士で比べると、エリステの方が安価です。

エリッゼ(ELLISSE) 鍛造ペグ エリッゼステーク 18cm 8本セット カチオン電着塗装 MK-180K MADE IN JAPAN
こうした色々な違いが実際に使ってみてどう差異があるのか考察してみましょう。
断面が楕円形状なのもエリッゼステークの改良点とよく言われています。
左側の丸が中華製の鍛造スチールペグ、右の赤いペグがエリッゼステークです。
楕円形上にすることにより、地中内で回転しづらくなり保持力が向上、抜く時は回転させれば周りの土が拡張されて抜けやすくなるというものです。
ユーザーも「エリッゼステークの方が抜きやすいからエリステを選んだ」という証言はよく目にします。
しかし自分が購入したソリッドステークも現物を見てみたら楕円形状をしています。
向かって一番左が中華製鍛造スチールペグ30cm、左から2番目の赤いペグがエリッゼステーク28cm、右から2番目がソリッドステーク20cm、一番右の黄色が中華製鍛造スチールペグ20cm
エリッゼステークが28cmに対し、ソリッドステークは20cmのものなので太さなども変わり単純比較しづらいのですが、どちらも楕円形状なのは一緒です。
ソリステ20cmをノギスで測ってみると6.2〜7.6mm
正直に言うと、自分の記憶の中でソリステはもっと丸い形状だと思っていました。
ちょっと潰れ気味の丸という印象でしたが、実物を確認したらどちらも楕円形状でした。
大手キュレーションサイトでも「ソリステはまん丸の円柱形」と記載されています。
おそらくエリステが楕円を強調しているので(エリッゼという単語は楕円を意味しています)、エリステの方が楕円だという思い込みが有ったのだろうと思います。
エリステ18cmも測ってみると6.8〜7.6mm
20cmクラスだとむしろエリステの方が扁平率低め=円に近いんですね。
まぁ大手キュレーションサイトなんて、実証もせずに適当な事を書いているところが多いのは今に始まった事ではありません。
太さとしてはエリステの方がやや太めなのもハッキリとわかりました。
中華製Soomloom20cmはまん丸の形状で実測9.9mm
中華製はかなり太めですね。
ソリステ30cmを測ってみたら7.9〜8.2mm
エリステ28cmは7.9〜10.4mm
30cmクラスだとエリステの方が扁平率高めです。
ソリステ30cmはパッと見た感じはまん丸の円のような印象です、対してエリステは楕円というよりは長方形です。
まぁ30cmクラスの印象が強くて、ソリステは丸という誤解が広まったんでしょうね。
でもちょっと計測すれば簡単に判別できる事なんですけどね…
とにかく太さとしては、こちらもエリステの方がだいぶ太めですね。
中華製Soomloom30cmは実測で10.0mm
こちらも中華製はかなり太めですね、と言うか長さが20cmから変わってもほとんど太さが変わらない。
おそらく同じロットならば長さに関係無く同じ鉄棒を原材料にしているのでどれも約10mmなんだと思います。
この辺りは長さや重さや強度などいろんな要素を考えながら、自分達が考えたベストバランスを選んだであろうソリステ・エリステと、何となく形だけ真似た中国製との違いを感じます。
(安易に真似たと言われたくないエリッゼステークの気持ちも少しわかります)
さてソリステ・エリステの楕円検証に戻りましょう。
私が所有している=現在流通している20・30cmのソリステが楕円なのは確認できました。
でも楕円になったのは最近で、むしろソリステがエリステを真似た可能性もありますよね。
気になったので、先行ブロガーの古い記事をいくつか見て回りましたが、エリステ発売前の2012年の記事で「ソリステが楕円形状なので抜きやすい」と評されている方を見つけました。
どうも楕円形状は村の鍛冶屋の改良点では無く、この形状もスノーピークの模倣のようですね(苦笑
先ほども述べたように、単純なソリステの形を完全にコピーしたわけではなく、独自のノウハウから導き出した数値なんだろうなとは思います。
エリステは楕円というよりは角の丸い長方形のように見えるので、より最適化しているのかもしれませんし、後発の分よりよく考えているのかもしれません。
ただ、やっぱり大元のアイディアは真似たと言われても仕方ないような気がします…
さて、この楕円形状がどれだけ効果的なのかも考えてみます。
自分は中華製のまん丸形状のペグも以前から実際に使っていますが、楕円だから格段に抜きやすいかと言えば極端な差異を感じていませんでした。
どれも捻りながら抜けばあまり大差無いように感じていたのですが・・・
この辺りは多分に感覚的なもののような気がして、自分のような一般消費者ではどちらが軽い力で抜けるのか計測するのは難しいので、客観的にどれが優れているとは断言しづらいです。
ウェブ上のエリステ愛用者の多くは「楕円形だからエリステの方が抜きやすいのでエリステを選んだ」と言う方がとても多いのですが、ソリステも楕円なわけです・・・
本当に楕円だからエリステの方が抜きやすいと感じたなら、20cmはソリステの方が抜きやすいと言われてないとおかしいですよね?
でもそんな事を言う人は見た事がありません。
そして多くの方がソリステはまん丸だと思い込んでいる…
申し訳ありませんがプラセボ効果の類じゃないかと推察しています。
となると、圧倒的な効果とは言い難いように思います。

地中内で回転しづらくなり保持力が向上というのは、効果があると思います。
今回検証しているペグではなくもっと細いピンペグですが、実際にキャンプ中にペグが回転してしまい、確認してみたら簡単に抜けてしまった経験があります。
地中内でグルンと回ったペグは楕円・真円に関係無く抜けやすくなるわけです。
ならば回りにくい楕円には意義があると思います。
ただある程度、ペグの軸が太くなり長さも長くなると抵抗が増すからか、30cm以上のペグではまん丸でも地中内で回転したことはありません。
そういう観点から、短いペグの方が扁平率高めのソリステの方が合理的に考えられているような気がします。
ちなみに抜けにくいペグを引き抜くために、フック部の穴にペグを刺して引き抜くやり方はソリステ・エリステどちらのペグでも、どの長さでもできます。
ですが20cmの中華製=Soomloomのペグだけはできませんでした。
こういう点も中華製は形だけしか真似てなくて、何故そういう形なのかの意味を理解していないのだとわかりますね。
強度に関してもエリッゼステークが一番硬いという意見がネット上で散見されます。
これに関しては村の鍛冶屋が自社サイトで実証実験の結果を載せています。
*ソリステとは明記していませんが、以前はスノーピークのブランドマーク*を列記して暗喩していました(現在は*を消去しています)
そしてエリステの方が強度に優っていると喧伝しています。
幾ら何でも実験結果を誤魔化すことはしないでしょうから、この実験では実際にエリステの方が優っていたと思われます。
軸の太さが18cmも28cmもエリステの方が太いので、曲がりにくいのは当然だと思います。
でもこれ何か腑に落ちないのです。
具体的には、最後の「両方とも2.2kN程度エリッゼステークのほうが優れております!」と明記されている点です。
両方っていうのは縦方向と横方向っていう事ですね。
楕円のエリステは縦と横では太さが変わるので強度が変わるのはわかるのです。
でもソリステ・エリステの軸の太さを測ったら、20cmクラスも30cmクラスも扁平率比がけっこう違ったじゃないですか。
なのにどちら(縦・横方向)も2.2kn程度エリステの方が優れているとなるのはおかしくないですか?
エリステと似たような比率でないと、どちらも同じような数値として優れるような結果になりにくいと思うのですが…?
*印がスノーピークでは無かったとしても、エリステと同じような楕円(扁平)形でないとならないのではないかと思うのです。
楕円形状のペグってソリステ・エリステ以外にありましたっけ?
もちろんどちらも鉄製とは言え、合金として添加する物質や鍛造の加工過程によっても強度は変わるでしょう。
だから太さだけに左右されるわけではないと思うのですが…
村の鍛冶屋さんの実験結果を疑うわけではありませんが、物理の知識が全く不足している自分にはよくわからないので、単純な疑問です。
こうしたしっかりした計測ではありませんが、ソリステと併用して使った中華製=Soomloomの鍛造鉄ペグがとても硬い凍土で曲がった事がありました。
要するに太さでは圧倒的に太いのに、曲がりに対する強度はソリステ・エリステの方が強いという事です。
まぁ同じサイト内とは言え、全く同じ硬さの強度とは限らないので絶対とは限りませんが、経験則的に自分はそのように感じています。
上記の強度は曲がりに対する強度ですが、鍛造鉄ペグは岩を割る硬さもあると思うんです。

これもあくまで自分の経験上の感覚ですが、ソリステとエリステは同じようにスッキリと岩を砕いていく感触があります。

それに比べると中華製鍛造ペグは鈍く押し当たる感触で、何度も打ち込んでやっと砕いた感じです。
同じサイト内で同じように地中内で石に当たって、石を割って刺さったペグを抜いた後に先端を見比べると、明らかに中華製鍛造ペグの方が押し潰れていました。
鉄の硬度の違いなのか?先端の鋭さの違いなのか?
おそらく硬度が優っているような気がします。
とにかくまぁ岩をも砕く鍛造ペグとしては中華ペグよりもエリステの方がかなり優秀です。
重さはソリステ20cmが実測で1本75.3g
エリステの18cmは実測で68.5gでしたので、これはやはり長さが影響してソリステの方が重いのかな?
ちょうど10%の重量比ですね。
エリステの方が楕円の短辺は細いんですけどね。
安物中華の鍛造スチールペグは実測で122.0gもありました!?
30cmとほぼ同じ太さの軸ですからね〜、そりゃぁやっぱり重いですよね。
ソリステ30cmだと1本あたり実測179.4g。
エリステ28cmは実測で1本189.5g
(写真は個体差による誤差を考慮して4本乗せて計測しています)
今度は全長で2cm短いはずのエリステの方が重い!?
これは軸の太さの長編が2mm以上エリステの方が太いから、その影響だと思います。
ちなみに中華製鍛造ペグは184.6g
わずかではありますが、中華製鍛造ペグの方が軽い。
見た目はソリステ・エリステの方が細いので軽量そうに見えますし、ちょっと意外でした。
それだけ締まった鉄を使っている=高い硬度ということなのかもしれません。
ソリステ・エリステが曲がりにくい・石を割るのも納得です。
これらを踏まえてペグとしての強度を想像するに、エリステ>ソリステ>>中華製鍛造ペグという感じではないでしょうか?
ただ中華製鍛造ペグでも岩を砕けないわけでも無いので、実用上は使いものになる程度の差異だと感じています。
何より、中華製鍛造ペグは価格が1/4程度と考えれば大健闘どころではありません。
ここまで検証してくると、やはり後発メーカーとして真面目にソリステを改善したエリステが一番優秀なのかな?という気がします。
だけどペグにとってある意味一番重要な要素である使用中の抜けにくさに関してはどうでしょう?
先述したようにソリステもエリステも若干の違いはありますがどちらも楕円形上です。
似たような形状ならば、地中に深く刺した方が抜けにくくなります、すなわち長さが重要なはずです。
エリッゼステークは基本的に同クラスで比較して2cm短いのです。
ソリステが30cmならエリステは28cm、ソリステが20cmならエリステは18cmという具合です。
保持力は地中にどれだけ深くペグを埋めるかが重要なはずです。
異なる長さのラインナップを揃えているのが、その正しさを証明しています。
ソリステを使う時よりも2cm深く埋めれば変わらないという人もいます。
でもだったらソリステも同じようにいつもより2cm深く埋めたらやっぱりソリステの方が優位ですよね?
あるいはペグの頭まで埋めきてしまったら抜く時に難儀してしまいますよね。
やはり2cmの長さの差は地中に埋まる2cmの差として存在する筈です。
まぁ40cmでの2cmでしたら5%の違いなのであまり問題になることは無いのかもしれません。
でも20cmだと1割の差があるので、そこそこ違いが生じるのではないかと思っています。
すなわち20cmクラスに限って言えば、エリステよりもソリステの方が抜けにくいと感じやすいのではないかと予想できます。
実際に使ってみるとやはり20cmと18cmではわずかながら、ソリステの方が抜けにくさを感じます。
プラセーボ効果ではないか?と言われたら、そうかもしれないという気もします。
確証は持てませんが何となくそう感じるという程度です。
30cmと28cmだともう差は感じません。
(素人では計測のしようがないので、あくまで個人の感覚です)
延々と鍛造スチール系ペグを比較してきましたが、最近はその鍛造系スチールペグの優位性が揺らいでいるように思います。
ソリステ・エリステが何でも一番というわけでは無くなってきています。
先ず鍛造鉄の欠点である重さ。
これを素材で改善しているのがチタンペグ。

Soomloom ペグ チタン製 固定ロープ付き テント用 タープ用30㎝ 2本/4本/6本/8本セット (30㎝2本セットケース付けない)
Soomloom ペグ チタン製 固定ロープ付き テント用 タープ用30㎝ 2本/4本/6本/8本セット (30㎝2本セットケース付けない)
チタンは鉄よりも硬度が高いので鉄よりも細くしても同じような強度で作ることができます。
なので結果的に軽くて強いペグになるわけです。
基本的に鍛造系スチールペグの上位互換だと推奨している方が多いようです。
あるいは素材の鍛造鉄はそのままですが、V字断面構造にすることにより抜けにくさを改善したキツツキペグ

FUTUREFOX キツツキペグ 30cm ペグ テント用 10本セット キャンプ V字ペグ タープ・テント
FUTUREFOX キツツキペグ 30cm ペグ テント用 10本セット キャンプ V字ペグ タープ・テント
最近の自分はこのキツツキペグが一番のお気に入りです。
わずかな改善の模倣よりも、根本的な改善や斬新なアイディアの製品が出現したら、そうした争いって無意味になってしまうんじゃ無いでしょうか?
皆さんにとって何を重要視するのかよく考えてペグをお選びください。
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